ASP
エーエスピー
7つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
アプリケーションサービスプロバイダ
Application Service Provider
事業者が業務ソフトを自社のサーバーで動かし、利用者がインターネット経由で月額などで使えるようにする事業者、またはその提供形態。2000年前後に広まり、現在のSaaSの前身にあたる。会計や勤怠などのソフトを利用者が自前で導入せずに使えるのが特徴で、いまはSaaSと呼ぶ場面が多い。
導入コストを抑えるため、自社でサーバーを持たずにASP型の勤怠管理サービスを選んだ。
アフィリエイトサービスプロバイダ
Affiliate Service Provider
成果報酬型広告で、広告主とサイト運営者(アフィリエイター)の間に立つ事業者。広告リンクの発行、成果の計測、提携先の審査、報酬の支払いを代行する。広告主は個別に運営者と契約せずに済み、運営者は一つの登録で複数の案件を扱える。
新商品の販促のため、複数のASPに広告案件を登録して提携サイトを募った。
アクティブサーバーページ
Active Server Pages
Active Server Pages (ASP) is Microsoft's first server-side scripting language and engine
マイクロソフトが1996年に出したWebサーバー側のスクリプト実行技術。HTMLの中にVBScriptなどのプログラムを書き、サーバーで動かして動的なページを作る。2002年にASP.NETが後継となり、区別のため旧版はクラシックASPとも呼ばれる。
古い社内システムがクラシックASPで書かれていて、ASP.NETへの移行を検討している。
プロサーフィン協会(サーフィン:2015年にWSLへ改称)
Association of Surfing Professionals
プロサーフィンの世界ツアーを運営していた団体。1983年にそれまでのIPSから引き継ぎ、2015年シーズンの開始時にワールド・サーフ・リーグ(WSL)へ改称した。旧称のため、過去の大会記録や選手の経歴で目にする。
90年代の世界王者の記録を調べると、当時の団体名としてASPと書かれている。
平均販売価格(米国メディケア Part B)
Average Sales Price
have a payment limit of the Average Sales Price (ASP) plus 6 percent
米国のメディケア(高齢者向け公的医療保険)が、医師が投与するPart B対象の薬を償還する基準になる価格。メーカーが四半期ごとに販売実績を報告し、値引きなども反映した加重平均として算出される。多くの薬は、支払上限をASPに6%を足した額とする。日本の薬価とは別の制度。
米国での収益見通しでは、ASPの下落が償還額にどう響くかを確認する。
記憶喪失性貝毒
Amnesic Shellfish Poisoning
二枚貝が、植物プランクトンの珪藻(シュードニッチア属など)が作るドウモイ酸という神経毒をため込み、食べた人に中毒を起こす貝毒の一種。1987年にカナダ東部で人の中毒が初めて確認された。嘔吐や下痢のほか、重症では記憶障害が残る。貝の出荷や輸出の際は、毒量の基準値(輸出先では20ppmが目安)が問題になる。
輸出先の基準に合わせて、出荷前の貝のドウモイ酸を検査してASPの有無を確認した。
抗菌薬適正使用支援プログラム
Antimicrobial Stewardship Program
抗菌薬(抗生物質など)を必要な患者に適切な種類・量・期間で使い、副作用と薬剤耐性菌(薬が効かなくなった菌)の増加を抑えるための病院の取り組み。医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師らの抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が、広域抗菌薬の使用監視や指針づくり、教育を担う。日本では2018年度の診療報酬改定で加算が設けられた。
感染症科と薬剤部が連携し、ASPとして広域抗菌薬の使用状況を毎週確認している。
20と6%、上限を持つASPの余裕
1987年の終わり、カナダ東部で、ムール貝を食べた人が次々に倒れた。報告された中毒は153人。死者は3人とも4人とも書かれる(直接の死因を3人とし、もう1人を間接的な死とする数え方がある)。吐き気や下痢のあとに記憶を失う人がいて、そこから Amnesic Shellfish Poisoning、略してASPの名がついた。
事件のあと、カナダは貝の毒、ドウモイ酸が1グラムあたり20マイクログラム(20ppm)に達したら採取を止めると決めた。20という数字はどこから来たのか。ウッズホール海洋研究所の資料によれば、中毒した人が口にした貝の毒量は推定で1グラムあたり200マイクログラム。その10分の1を上限にした。被害の出た値を割って、余裕を取ったことになる。
数字の上限を持つASPは、もう一つある。米国メディケアが、医師の投与する薬を償還するときの Average Sales Price だ。多くの薬の支払上限は、ASPに6%を足した額と決められている。
この6%はなぜ足されるのか。足されるようになったのは2005年1月からで、それまでは卸売価格の95%を払っていた。ところが医師が実際に仕入れる値は、多くの薬で卸売価格の66〜87%にとどまり、メディケアは仕入れ値より年に約10億ドル多く払っていたとされる。そこで基準を実際の販売実績の加重平均に替え、診療所の経費にあたる分として6%を上乗せした。
貝の20は、被害の出た値から引いた余裕である。薬の6%は、実際の価格に足した余裕である。同じ三文字の上限なのに、余裕の向きが逆を向いている。
同じ医療でも、病院の抗菌薬適正使用支援プログラムは、数字の上限より人の目で動く。医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師のチームが広域抗菌薬の使用を見守り、種類・量・期間がその患者に合っているかを確かめる。日本では2018年度の診療報酬改定で加算が設けられた。
残る四つ、つまりSaaSの前身にあたるサービス事業者、アフィリエイトの仲介事業者、マイクロソフトのサーバー側スクリプト技術、2015年にWSLへ改称したプロサーフィンの団体は、どれも上限の数字を持たない。
輸出向けの貝を扱う現場では、出荷前の検査で、ドウモイ酸が輸出先の目安である20ppmを超えるかどうかが見られる。検査票の欄に並ぶ数字の根は、1987年の冬に倒れた153人にある。