CA
シーエー
5つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
キャリアアドバイザー
Career Advisor
人材紹介会社で求職者を担当する職種。面談で希望を聞き、求人を紹介し、面接対策から入社後のフォローまでを受け持つ。企業側の採用を担当するRA(リクルーティングアドバイザー)と対にして呼ばれる。
来月からCAとして、転職希望者の面談を週十数件受け持つ予定です。
キャビンアテンダント(客室乗務員)
Cabin Attendant
旅客機の客室で、機内サービスと乗客の安全確保にあたる乗務員の略称。日本の航空会社で使われてきた呼び方で、海外では「CA」が通じないこともあるとされる。
CAが離陸前にシートベルトと座席の背もたれを確認して回った。
認証局
Certificate Authority
公開鍵が本人のものだと保証する電子証明書に署名し、発行・管理する機関。Webサイトの暗号化通信(TLS)の信頼の起点になり、ブラウザは搭載したルート証明書をもとに、サイトの証明書が信頼できる認証局に署名されているかを確かめる。不特定多数向けのパブリックCAと、社内など限られた範囲で使うプライベートCAがある。
社内システム用にプライベートCAを立て、サーバー証明書をそこから発行した。
勅許会計士(インドなど)
Chartered Accountant
インドでは、インド勅許会計士協会(ICAI)の資格を持つ会計専門職を指す。3段階の課程を修了し、開業中のCAのもとで2年間の実務研修(Articleship)を終える必要がある。日本の公認会計士に近い位置づけだが、制度は別。
インド子会社の決算は、現地のCAに監査証明を依頼している。
キャリアアグリゲーション
Carrier Aggregation
キャリアアグリゲーションは、複数の異なる周波数帯の電波を束ねて、1つの通信回線としてデータの送受信を行う技術です。
複数の周波数帯の電波を束ね、1つの通信回線として使う無線通信技術。LTE-Advancedの要素技術として導入され、周波数が連続していなくても組み合わせられるため、広い帯域を確保して通信速度を上げられる。ここでの「キャリア」は通信事業者ではなく搬送波(周波数帯)を指す。
対応端末では2つの周波数帯をCAで束ね、下り最大速度を引き上げている。
CAと呼ぶのに、機内でだけ通じない
「キャリアアドバイザー」と「キャリアアグリゲーション」は、どちらも頭が「キャリア」で、どちらも略せばCAになる。ところが綴りは Career と Carrier で、別の語だ。
人材紹介のCAは、求職者の面談から求人の紹介、面接対策、入社後のフォローまでを受け持つ。企業側の採用を担当するのはRAで、二つは対にして呼ばれる。通信のCAは、複数の周波数帯の電波を束ねて1つの通信回線にする技術だ。ソフトバンクの説明では、LTE-Advancedの要素技術として導入された。スマートフォンの契約先を指して「キャリア」と呼ぶ日本語の癖から、この「キャリア」も通信事業者のことだと読みたくなる。だが指しているのは搬送波、つまりデータを運ぶ周波数帯のほうだ。束ねる相手は、会社ではなく電波である。
残る三つは、日本語の「キャリア」とは関係がない。
認証局(Certificate Authority)は、公開鍵が本人のものだと保証する電子証明書に署名する機関だ。ブラウザーはルート証明書を最初から持っていて、サイトの証明書が信頼できる認証局の署名につながっているかを確かめる。インドの勅許会計士(Chartered Accountant)は、インド勅許会計士協会(ICAI)の資格を持つ専門職で、3段階の課程のあとに、開業中のCAのもとで2年間の実務研修(Articleship)が要る。どちらも英語圏に由来する語で、海外の相手に使っても用は足りるだろう。と思う。ただ、人材紹介のCAが英語圏でどう通じるかは、確かめられていない。
通じないと報じられているのは、機内のCAだ。
日本の航空会社でCAといえば、キャビンアテンダント(Cabin Attendant)、客室乗務員である。乗りものニュースの記事によれば、乗客からの呼ばれ方はANAでは「CAさん」が多く、JALでは「CAさん」「客室乗務員さん」「キャビンクルーさん」が挙がった。ところが同じ記事の筆者は、外国人に「キャビンアテンダント」と伝えても理解されなかったという。「キャビン」は船の客室や小屋、「アテンダント」は案内係や世話係の意味なので、航空会社の乗務員とは結びつきにくい。略したCAも、海外では通じないことがあると書かれている。
この語は日本で生まれたとされる。JALで先任客室乗務員を務めた人の話として、1970年代にはもう社内で使われていたという。国内の社内用語として整った名前が、そのまま輸出できる名前にはならなかった。筆者は外国人には「フライトアテンダント」を使い、世界の航空会社で広く使われているのは「キャビンクルー」だとも書いている。
五つのCAのうち、海外で通じないと記事に書かれているのは、この一つだけだ。国際線の席から声をかけるとき、日本で「CAさん」と呼んでいた相手に、英語では別の名前が要る。