用語

コール

コール

4つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

銀行・融資

コール(コール市場・コール資金)

call money

インターバンク市場のひとつで、金融機関同士が短期資金の貸し借りを行っている市場。

出典:大和証券 金融・証券用語解説「コール市場」

金融機関どうしが、日々の資金の過不足を調整するために短期で貸し借りする取引、またはその市場。余った銀行が貸し、足りない銀行が借りる。担保をとる有担保と、とらない無担保があり、無担保コールの翌日物(オーバーナイト物)の金利は、日本銀行が金融市場調節の操作目標にしている。

決済資金が不足したので、今日はコールで調達しておこう。

証券・投資

コール(コールオプション)

call option

オプション取引で、決めた価格(行使価格)で原資産を買える権利のこと。買い手はオプション料を払って権利を得て、売り手はその料を受け取る代わりに、行使されたら応じる義務を負う。価格上昇を見込むときの取引で、反対に売る権利はプットという。

上昇を見込んで、行使価格の高いコールを買った。

飲食

コール(二郎系ラーメンのトッピング注文)

ラーメン二郎系の店で、丼が出る直前に店員から「ニンニク入れますか」と聞かれ、野菜・ニンニク・アブラ・カラメなどの量や有無を声に出して答えること。食券を買うときとは別の、提供直前の無料トッピングの注文にあたる。トッピングごとに名前と量を一つずつ言うのが基本。

ニンニク入れますか、と聞かれたので「ヤサイマシ、アブラ」とコールした。

音楽ビジネス・興行

コール(ライブでのファンの掛け声)

fan chant

アイドルなどのライブで、観客が曲の途中の決まったタイミングで入れる合いの手の掛け声。メンバーのソロパートに合わせてその名前を呼ぶもの、前奏や間奏など歌詞のない部分に入れるものなどがあり、曲ごとにおおよその型がある。初めての人は、周りでコールをしている人を手本に見よう見まねで覚えるのがよいとされる。

このグループの新曲は、サビ前のコールがまだ固まっていない。

コールの合図は、誰が出すのか

前奏が始まる。歌はまだ入っていない。それでも客席から、ほとんど同じ瞬間に同じ声が上がる。アイドルのライブのコールである。

matchaのライブ用語の解説によると、コールにはメンバーのソロパートで名前を呼ぶものや、歌詞のない箇所に入れるものがあり、曲ごとにおおよその型がある。覚え方は、実際にライブへ行って、コールをしている人を手本に見よう見まねでやってみること。鍵は曲のリズムを壊さないことだという。

誰も呼んでいないのに、客席全体が声を出す。合図を出しているのは曲のほうで、客はその型に合わせているのだろう。では、同じ「コール」という語が使われるほかの場面では、合図は誰が出しているのか。

呼ぶ側と、呼ばれる側

銀行間のコール市場では、貸し手が出す。コトバンクのコール市場の解説は、予告すればただちに回収できる貸借だから、「呼べば答える」ほどの短期資金としてコールの名がついた、と説明する。英語の money at call(呼べばすぐに戻ってくる資金)に由来するという説明もある。余っている銀行がひとこと予告すれば、借りている銀行は返す。

コールオプションの合図は、買い手の判断である。買い手はオプション料を払い、決めた価格で買える権利を持つ。売り手は料を受け取った代わりに、権利が行使されたら応じる義務を負う。ただ、この「コール」が「呼び出す」に由来するのかどうかは、裏づけのある資料を見つけられていない。

二郎系ラーメンになると、合図は店員の問いに変わる。マイナビニュースの例では、提供直前に「右から二番目の小ラーメンご注文の方、ニンニクは入れますか?」と声がかかり、客は「ニンニクあり。ヤサイ・アブラでお願いします」と答える。記事は、量を変えるなら「ヤサイマシアブラマシマシ」のようにトッピング名と量を一つずつ伝えるのが基本だとしている。ここでは、呼ぶのは店員で、声を張るのは客である。

並べると、合図は四つに分かれる。貸し手の予告、買い手の判断、店員の問い、曲の型。金融の二つは、権利を持つ側が合図を出して、相手が応じる。二郎では、問われた客が自分で中身を決める。ライブには、問う人も応じる人もいない。

声を出す側から見れば、四つのうち三つは、相手の合図を待つ立場である。借り手は貸し手の予告を、売り手は買い手の行使を、二郎の客は店員の問いを待つ。ライブの客が待つのは曲の進行だ。

初めてのライブなら、周りの声を手本にするしかない。二郎のカウンターなら、問いが来てから、トッピング名と量を一つずつ言えばいい。どちらの客も、自分の声が入る場所が来るのを待っている。