略語

CF

シーエフ

7つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

会計・税務・監査

キャッシュ・フロー

cash flow

一定期間に企業へ入った現金と出た現金の差を見る指標。損益計算書の利益と違い、実際に手元の資金がどう動いたかを表す。キャッシュ・フロー計算書では営業・投資・財務の3区分で整理し、黒字倒産のように利益が出ていても資金が尽きる事態を見抜くために使う。

今期は利益が出ているが、売掛金の回収が遅れて営業CFがマイナスだ。

広告(マス・屋外・販促)

コマーシャルフィルム(テレビCM)

commercial film

テレビなどで流す動画広告のこと。初期のテレビCMの多くが35ミリや16ミリの映画フィルムで撮影されていたことから、この呼び名が生まれた。今ではフィルムを使わない映像でも、広告代理店や制作会社では「CM」と並んで「CF」と呼ぶことがある。

来月オンエアする新商品のCFは、15秒版と30秒版を同時に撮影する。

医療・医学

嚢胞性線維症

cystic fibrosis

CFTR遺伝子の異常で外分泌液が粘り気を帯び、気道・腸管・膵管が詰まりやすくなる遺伝性疾患。新生児の胎便性イレウス、膵機能不全による消化吸収障害、肺炎や気管支炎の反復などで見つかる。欧米の白人に多く、日本では出生約60万人に1人とされる極めてまれな病気で、指定難病になっている。

繰り返す肺炎と脂肪便があり、CFを疑って汗中の塩化物濃度を測定した。

半導体・電子部品

CFカード(コンパクトフラッシュ)

CompactFlash

1994年にサンディスクが開発した、小型のフラッシュメモリカード規格。外形はタイプI(厚さ3.3mm)とタイプII(5mm)があり、一眼レフや産業機器で長く使われた。現在はSDカードなどに主役を譲ったが、組み込み機器や放送機材には残る。

古い産業用PCの記憶媒体がCFカードなので、交換品を型番で探している。

建設・建築

クッションフロア

cushion floor

表面に柄をプリントした塩化ビニル系のシート状床材。中間に発泡層があり、足ざわりに弾力がある。耐水性が高く掃除しやすいため、トイレ・洗面所・キッチンの床の内装仕上げに多用される。見積書や仕上表には「CF」と略して書かれる。

洗面所の床はCF貼りで、巾木まで一緒に張り替える。

スポーツ・フィットネス

センターフォワード(サッカー)

center forward

サッカーで攻撃の最前線の中央に立つ選手の位置。敵陣深くでボールを受け、ゴールを狙うのが主な役割で、競り合いに耐える体力と決定力が求められる。ポジション表記ではFWの一種としてCFと書き、布陣図やメンバー表で使う。

今日のスタメンはCFに背の高い新加入の選手を置いた。

AI・データ

協調フィルタリング

Collaborative Filtering

多数の利用者の購買・閲覧・評価の履歴から、嗜好の近い利用者や似た傾向の商品を見つけ、まだ接していない商品を推薦する手法。利用者ベース・商品ベースなどの方式があり、ECや動画配信のレコメンドで使われる。機械学習の文献や実装ライブラリでは「CF」と略される。

履歴が少ない新規ユーザーにはCFが効きにくいので、人気順の表示と併用している。

フィルムを名に持つCFと、フィルムの後を継いだCF

CFと聞いて、フィルムを思い浮かべる人は多いだろう。広告の CF なら、それで合っている。commercial film の略だからだ。ところが電子機器にも CF があり、こちらはフィルムカメラの後を継いだ側にいる。名前にフィルムが入っているほうと、フィルムを置き換えるカードのほうが、同じ2文字になった。

名前にフィルムを残した広告の CF

日本のテレビ広告の最初は、1953年8月28日に日本テレビで流れた、服部時計店(現在のセイコーホールディングス)の「精工舎の時計が正午をお知らせします」という時報とされている。民間テレビ放送の開始と同時に、テレビ・コマーシャルが生まれたことになる。

広告業界の CF は、初期のテレビCMが35ミリや16ミリの映画用フィルムで撮られていたことに由来する呼び名である。今ではフィルムを使わない映像でも、広告代理店や制作会社では「CM」と並んで「CF」と呼ぶことがある。この呼び名を誰がいつ使い始めたのかは、資料が見つからず、確認できていない。

フィルムの後に来た電子機器の CF

CompactFlash は、サンディスクが開発し、1994年10月に発表した小型のフラッシュメモリカードの規格である。名前の Flash はフラッシュメモリのことで、写真のフラッシュ(閃光)とは関係がない。

広く知られるようになったのは、デジタル一眼レフに採用されたからだ。ニコンの D1 は1999年6月の発表で、記録媒体は CompactFlash だった。キヤノンの EOS D30 は2000年10月の発売で、こちらも CF カードを記録媒体にしている。フィルムを入れて撮っていた一眼レフの世界に、カードを差して撮る機種が並びはじめた時期にあたる。

並べると、順序が逆になっている。広告の CF は「フィルムで撮っていた」という過去を名前に残しているので、いまの撮影でフィルムを使うのかどうかは、名前から読み取れない。電子機器の CF はフィルムが置き換わる場面で使われたのに、名前にはフィルムとの接点が一つもない。

CF にはこのほか、経理の cash flow、医療の cystic fibrosis、建築の cushion floor、サッカーの center forward、機械学習の collaborative filtering があり、フィルムの話とは別の語源をたどる。それでも、広告制作会社の人と一眼レフの機材担当が同じ現場で「CFを確認して」と言えば、片方は映像素材を、片方はメモリカードを見に行くことになる。