略語

COD

コッド

4つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

自然・環境

化学的酸素要求量

Chemical Oxygen Demand

湖沼や海域の水の汚れを示す指標。水中の有機物を酸化剤で分解し、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算してmg/Lで表す。数値が高いほど有機物による汚濁が大きい。河川の汚れは主にBOD(生物化学的酸素要求量)で見るため、CODは湖沼・海域の環境基準や排水の規制値で使われる。

この湖のCODは環境基準を超えており、流入する排水の対策が議論されている。

エネルギー

商業運転開始日

Commercial Operation Date

発電所が試運転を終え、電力を売る本格的な運転を始める日。PPA(電力購入契約)や融資契約では、売電収入が始まる起点や各種期限の基準日として定義される。日本のFIT・FIP制度でも認定ごとに運転開始期限が定められ、超過すると調達期間が短くなり、未稼働が長引くと認定が失効することもあるため、工程管理上の重要な節目になる。

洋上風力のCODが半年遅れたため、PPAの遅延条項の適用が協議された。

EC・通販

代金引換(代引き)

Cash on Delivery

商品の受け取り時に、配達員へ代金を支払う決済方法。クレジットカードを使わない人や、ネット決済に不安がある人向けに通販で用意される。購入者には数百円程度の代引き手数料がかかることが多く、受け取り拒否による返送が出るリスクを販売側が負う。

カートの支払い方法にCODを追加したら、カード決済を使わない顧客の注文が増えた。

ゲーム・eスポーツ

コール オブ デューティ

Call of Duty

Activisionが発売する一人称視点のシューティングゲームシリーズ「Call of Duty」の通称。2003年の第1作以降、Infinity Ward、Treyarch、Sledgehammer Gamesなどが開発を担当している。ゲーム業界やプレイヤーの間では「CoD」とも書かれる。

今年のCODは発売初日から大会向けの対戦モードが遊べる。

CODの定義は、測定法と契約書に書かれている

「COD」と書かれた資料を渡されたら、どの業界の話かは文脈で決まるだろう。水の汚れ、発電所の運転開始日、通販の支払い方法、ゲームのシリーズ名と、候補は4つある。ところが「この3文字の定義はどこに書いてあるか」と探しはじめると、行き先は4か所に分かれてしまう。

水のCODは、酸化剤の選び方で数字が変わる

化学的酸素要求量は、水中の有機物を酸化剤で分解し、使った酸化剤の量を酸素に換算した値である。ただし酸化剤は一種類ではない。日本の環境基準などでは、酸化力が比較的弱い過マンガン酸カリウムを使う酸性高温過マンガン酸法(CODMn)が採用されている。欧米では二クロム酸カリウムを使う二クロム酸法(CODCr)が広く使われ、こちらは有機物の全量に近い値を推定する方法とされる。

そのため、同じ「COD」と書かれた数字が二つあっても、どの酸化剤で測ったかが添えられていなければ、並べて比べることはできない。この指標の定義は、測定方法の側に置かれている。

発電所のCODは、契約書を読むまで日付が決まらない

Commercial Operation Date(商業運転開始日)には、水のような共通の測定法がない。契約書の定義を集めたLaw Insiderの用語ページを見ると、「試運転が成功し、試運転証明書が発行された日」とするものがある。「プロジェクトの試運転が完了した日の翌日」とするものもある。別の契約(PPA、電力購入契約)の条項を参照して済ませているものまである。

測定器を替えても日付は動かないので、ここで確かめるのは条文である。この業界のCODは、署名した契約書の中で初めて確定する日付になる。

代金引換(Cash on Delivery)は、受け取り時に払うという支払い方法の名前であり、数値も日付も決めていない。Call of Dutyは2003年の第1作から続くシリーズの固有名詞で、CODはその通称である。ゲーム内外では「CoD」とも書かれる。前者は手続きの名前、後者は作品の名前なので、定義を探す場所が最初から違う。

並べると、測定法で決まる数字、契約で決まる日付、手続きの名前、作品の名前の4種類になる。同じ会社の中でも、環境部門は水の数値を、再エネ事業部門は運転開始日を、通販チームは決済手段を、同じ3文字で呼ぶことがありうる。これは筆者の想像であり、確認した事例ではない。もしそうなら、会議で「CODが出た」と言われた人は、数値表と契約書と注文画面のどれを開くかを、その場で聞き返すことになる。