略語

DO

ディーオー

2つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

海運・貿易

荷渡指図書

Delivery Order

輸入貨物を引き取るために、船会社などが輸入者へ出す書類。海上運送状やサレンダードB/Lの取引では、運賃やその他の費用を支払うと発行され、原本がなくても輸入通関後に貨物を引き取れる。B/L の原本を使う取引では、船荷証券と引き換えでなければ船会社に貨物の引き渡しを請求できず、B/L が間に合わないときは、輸入者が取引銀行の連帯保証を付けた保証状(L/G)を船会社に差し入れて引き取る方法がある。

運賃を払ってD/Oが出たので、通関が済めば貨物を引き取れます。

自然・環境

溶存酸素

Dissolved Oxygen

水に溶け込んでいる酸素の量で、河川・湖沼・海域の水質を測る指標の一つ。単位は mg/L で、数値が高いほど水中の酸素が足りている。環境基準では水域の類型ごとに下限が決められている。水温が上がると飽和濃度が下がるため、夏場や有機物による汚濁が進んだ水域で低くなりやすい。

夏場の湖底は溶存酸素が低下して、魚が棲めない状態になっていた。

同じDOでも、待つのは紙と水温

貨物が港に着いている。それでも、荷主が持ち出せない日がある。なぜだろう。

貨物の持ち主を決めているのが、貨物そのものではなく紙だからだ。JETRO の貿易相談Q&Aによれば、船荷証券(B/L)と引き換えでなければ、船会社に貨物の引き渡しを請求できない。ところが、本船が日本に着いているのに、B/L が銀行に届いていないことがある。そこで輸入者は、取引銀行が連帯保証する保証状(L/G)を船会社に差し入れ、B/L なしで先に引き取る。あとで荷が品質不良や契約違反だったと分かっても、輸入者は代金を決済して B/L を船会社に提出する義務から逃れられない。損害も輸入者が負う。

D/O(Delivery Order、荷渡指図書)は、これとは別の、紙を急がせない取引に出てくる書類だ。海上運送状やサレンダードB/Lの取引では、運賃やその他の費用を払うと船会社から D/O が発行され、原本がなくても輸入通関後に貨物を引き取れる。

同じ2文字は、水質の現場にもある。DO は Dissolved Oxygen、溶存酸素。水に溶けている酸素の量で、単位は mg/L だ。こちらが左右されるのは、紙ではなく水温である。

水が抱えられる酸素の量は、水温が上がると減る。HORIBA の解説では、25℃・1気圧の純水が酸素で飽和したときの値は 8.11 mg/L である。川の環境基準は類型ごとに下限があり、AA 類型と A 類型は 7.5 mg/L 以上、B と C は 5 mg/L 以上、D と E は 2 mg/L 以上だ。25℃の純水が酸素をいっぱいに溶かしても、7.5 との差は 0.6 ほどしかない。有機物で汚れた川では、微生物が有機物を分解する過程で水中の酸素が使われ、供給が間に合わなくなると魚が棲めなくなる。気温の高い夏に DO 不足が起きやすいのは、汚れが酸素を使うことに加えて、水がもともと酸素を抱えにくくなっているからである。

貨物と酸素は、どちらも「そこにあるのに、使えない」ことがある。貨物は書類が間に合わないせいで、酸素は水温が上がったせいで。ただ、貨物の遅れは L/G という保証で縮められる。水温は、保証状では下げられない。

港で貨物を待つ荷主の手には、紙が1枚ある、または、まだない。夏の川岸で電極を水に入れた検査員の手元には、7.5 を下回った数字が出ている。