用語

ドロップ

ドロップ

8つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

音楽(演奏・楽器)

ドロップ(EDMの最高潮)

drop

EDMなどのダンスミュージックで、ビルドアップ(緊張を高める導入部)のあとに訪れる、曲のエネルギーが最大になる部分。曲の主旋律(フック)が最もはっきり示される。ビルドアップで低音を抜いておき、ドロップで戻すと効果が大きくなるとされる。

ビルドアップで煽ってからのドロップで、フロアが一斉に跳ねた。

スポーツ・フィットネス

ドロップゴール(ラグビー)

drop goal

ラグビーで、ドロップキックによってゴールすること。3点が入る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)/Weblio辞書

ラグビーで、ドロップキックによってボールをクロスバーの上、ゴールポストの間に通して得点する方法。蹴ったあと、ゴールを通過する前にボールが地面に触れてはならない。ラグビーユニオンでは3点、ラグビーリーグでは1点。

終了間際、ドロップゴールで3点を加えて逆転した。

アウトドア・釣り・キャンプ

ドロップショット(釣り:ダウンショットリグ)

drop shot

バス釣りなどで使うリグ(仕掛け)の一つ。フックの下にシンカー(おもり)を付けるため、ワームが底から少し浮いた状態になり、シンカーを固定したまま一点で誘える。日本で発達した釣り方とされ、国内では「ダウンショットリグ」とも呼ばれる。米国では「ドロップショット」の名で、1990年代に広まった。

プレッシャーの高い池なので、ドロップショットで底の際を狙った。

ゲーム・eスポーツ

ドロップ(アイテム)

drop

プレイヤーが倒されたときなどに、持っていたアイテムが消えずに拾える状態になること。敵を倒して手に入るアイテムを指すこともあり、その出やすさを「ドロップ確率」(ドロップ率)と呼ぶ。

このボスはレアドロップ率が低く、周回に時間がかかる。

EC・通販

ドロップシッピング

drop shipping

販売者が在庫を持たず、注文を受けてから仕入れ先に手配し、仕入れ先が商品を購入者へ直接発送する販売方式。在庫の保管・管理のコストや、在庫の過不足のリスクを負わない一方、販売者の仕事はマーケティング、サイト管理、受注が中心になる。

在庫を抱えたくないので、ドロップシッピングで雑貨を販売している。

インフラ・クラウド・セキュリティ

パケットドロップ

packet drop

ネットワークを流れるデータのパケットが、ルーターなどの機器で破棄され、宛先に届かないこと。輻輳(通信量が機器の処理能力を超えること)などで起き、通信の遅延や性能低下、失敗につながる。

スイッチのポートでパケットドロップが増えており、回線の混雑を疑っている。

IT・システム開発

ドロップ(SQLのDROP文)

DROP (SQL)

SQLでテーブルを、定義ごと削除する命令。DROP TABLE ならテーブルの定義に加え、データ・インデックス・トリガー・制約・権限もまとめて消える。DELETE文やTRUNCATE TABLE文で全行を消してもテーブルの定義は残るが、DROP TABLE ではテーブルそのものがなくなる。

検証用のテーブルは作業が終わったので、DROP TABLE IF EXISTS で削除しておいた。

通信・電波

ドロップケーブル(光ドロップケーブル)

drop cable

FTTH(光ファイバーを家庭まで引く方式)で、電柱に架けた幹線ケーブルから、電柱上の引き落とし用クロージャ(接続箱)を経て、一般住宅などの利用者宅へ光回線を引き込むケーブル。住宅の近くの電柱から光キャビネットなどを経て宅内に引き込まれ、屋内の光ファイバーに接続される。吊り線(鋼線)と光ファイバー心線を一体にした構造のものがある。

電柱から宅内まではドロップケーブルで引き込む工事になります。

ドロップ率1%の重さが逆になる

ボスのドロップ率が1%だと聞けば、たいていの人は「渋い」と思う。回線の監視画面にパケットのドロップ率1%と出たら、今度は「少し多い」と思う。同じ「ドロップ率」で、同じ1%なのに、片方は出てほしい数字、片方は出てほしくない数字である。

ゲームの側から見る。ゲームデザイナーの遠藤雅伸は、gihyo.jpの連載「ゲームをおもしろくするコツ」の第1回で、ドロップ確率1%を「100回倒せば手に入る」と読むのは確率の罠だと書いている。100人が100匹ずつ倒しても、手に入らない人は(99/100)の100乗、つまり約37人残る。200匹でも約13人、300匹でも約5人だという。1%の世界では、落ちない周回のほうが圧倒的に長い。

回線の側では、事情が逆になる。ネットワーク監視サービスのObkioは、パケットドロップを、データが宛先に届かない現象として説明している。主な原因の一つは輻輳で、落ちると遅延や転送の失敗につながる。TCPの通信なら、落ちたデータは送り手が自動で再送する。同じ記事は、1%未満を健全、1〜2%を調査の対象とする。ただし、業務用途では0.5%未満を保つよう勧めている箇所もあり、基準線は記事の中でも揺れている。いずれにしても、1%は「そろそろ見る数字」であって、「めったに出ない数字」ではない。

数字の読みが逆になるのは、落ちたあとに待っているものが違うからだ。ゲームでは、落ちたアイテムはその場に残り、拾えば手に入る。落ちること自体が報酬で、落ちない周回は日常になる。パケットでは、落ちたものは誰の手にも渡らない。TCPの通信なら送り手がもう一度送り直すだけで、届くのが日常、落ちるのは例外である。日常が逆なので、同じ1%の意味も逆になる。

ラグビーのドロップゴールは、蹴り手がドロップキックで狙って決める。釣りのドロップショットは、フックの下に自分でおもりを付け、ワームを底から浮かせたまま誘う。EDMのドロップも、作り手がビルドアップのあとに置く位置を決める。私の見立てでは、この三つは、起こす側に手綱がある。ゲームの落ち物は確率に、パケットは回線の混み具合に、手綱を預けている。

周回の100回目に何も出なかった画面と、カウンタに1%と出た監視画面は、どちらも「落ちた」の記録だ。前者を見れば「また次を」と思い、後者を見れば「いま直さないと」と思う。