略語

ES

イーエス

5つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

人事・人材

エントリーシート/従業員満足

entry sheet / employee satisfaction

採用では、新卒の応募時に企業が提出させる独自様式の応募書類(エントリーシート)。志望動機や自己PRなどを問い、書類選考や面接の材料にする。労務・組織開発では、職場環境や処遇への従業員の満足度(従業員満足)を指し、顧客満足(CS)と対にして使う。ES調査で測る。

ESの締切が今週末なので、志望動機の設問から先に埋めた。

生命科学・バイオ

胚性幹細胞(ES細胞)

embryonic stem cell

着床前の胚(胚盤胞)の内部細胞塊から樹立する幹細胞。体を作るほぼ全ての細胞に分化できる多能性をもち、培養で増やせる。再生医療や発生の研究に使われる。ヒトでは胚を用いるため、国の指針で樹立・使用が管理される。iPS細胞と並べて語られる。

マウスES細胞を培養して神経細胞へ分化させる実験をした。

IT・システム開発

ECMAScript(JavaScriptの標準仕様)

ECMAScript

This Standard defines the ECMAScript 2026 general-purpose programming language.

出典:Ecma International「ECMA-262」

JavaScriptの言語仕様を定めた標準(ECMA-262)。Ecma Internationalが策定する。ES6(正式名はES2015)のように版を略して呼び、2015年以降は毎年新版を出す。開発の現場では「ES6の書き方」「ES Modules」のように、使える文法の世代を示すのに使う。

このライブラリはES2015以降の構文を前提にしているので、古いブラウザ向けには変換が要る。

証券・投資

期待ショートフォール

Expected Shortfall

リスク管理の指標で、損失が一定の水準(VaR)を超えたとき、その超過分の平均的な大きさを示す。VaRは超えたあとの損失の中身を教えてくれないが、ESはそこを見る。バーゼル規制のトレーディング勘定の見直し(FRTB)では、99%のVaRに代えて97.5%のESが使われる。

市場リスクの内部モデルを、VaRからESベースへ切り替える作業が続いている。

半導体・電子部品

エンジニアリングサンプル(量産前の試作品)

engineering sample

量産前の半導体を、メーカーが顧客の機器メーカーなどへ貸し出す評価用の試作品。製品の設計や試験に使う。量産品とは機能が異なることがあり、保証の対象外で、一般には販売されず転売もできない。

ESの段階では動作が安定しないので、量産品が出るまで評価結果は暫定とする。

ES6の6は版の数、ES2015の2015は年

ES6と書かれたコードの隣に、ES2015と書かれた資料が並んでいることがある。数字が違うのだから別の規格だろうと思いたくなる。ところが同じ版である。二つの数字は、どう読み分ければいいのか。

ES6の6は、版の数だ。JavaScriptの標準ECMA-262を出しているEcma Internationalのページを見ると、第1版は1997年6月、第2版は1998年8月、第3版は1999年12月。そのあとの第4版は、ページに「存在しない」と書かれている。次の第5版が2009年12月で、第6版が2015年6月。第3版から第5版まで10年かかり、第5版から第6版までも5年半あいた。この時期のESは、版が出るたびに数字がひとつ増えるだけの呼び名だった。

2015年6月、第6版の承認をInfoQ Japanは次のように伝えた。

最新のJavaScriptバージョンの正式名は、ECMAScript 2015となり

記事はさらに、今後の版にはリリースの年が入ること、小さな増分でより頻繁に出す予定であること、次のECMAScript 2016は翌年に計画されていることを書いている。名前を年に切り替えた理由は、記事には書かれていない。確かめられたのは、切り替えが第6版のときに起き、同時に年ごとの刊行が始まった、というところまでだ。

その後のページを見ると、第7版が2016年6月、第8版が2017年6月と、毎年6月に1版ずつ続いている。2026年6月の版は第17版で、現行版として載っている。年を名前にしたので、ES2015は2015年の版、ES2026は2026年の版と、版を数えなくても読める。6から17までは11版である。

同じ二文字でも、ほかの業界で数字がつくと読み方が変わる。金融のESは期待ショートフォールで、バーゼル規制のトレーディング勘定の見直しでは、99%のVaRに代えて97.5%のESを使う。ここでESの隣にある97.5は、版でも年でもなく、割合を示す数字だ。

ライブラリの対応表に「ES2015以降の構文が前提」とあれば、それは第6版以降のことで、ES6と書かれていても同じ意味になる。