FB
エフビー
6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
ファームバンキング
Firm Banking
ファームバンキング(Firm Banking:FB)とは、企業のコンピューターと銀行システムを通信回線で直接接続し、オフィスから銀行取引を一括処理できる法人向けサービスです。
企業のコンピューターと銀行のシステムを通信回線でつなぎ、給与振込・総合振込・口座振替・残高照会などをオフィスから一括で処理する法人向けの仕組み。会計ソフトや給与ソフトから全銀フォーマットの「FBデータ」を出力して取り込む。かつては専用回線や電話回線が主流だったが、いまはインターネット経由が一般的。
月末の給与振込は、会計ソフトでFBデータを作って銀行に送っています。
フルバック(アメリカンフットボール)
fullback
アメリカンフットボールの攻撃で、ランニングバックの一種。クォーターバックやオフェンスラインの後方に立ち、ほかのランニングバックの前を走って守るリードブロックやパスプロテクションを担う。自分でボールを持って短い距離を突っ込むこともある。
FBがリードブロックで道を開け、ハーフバックが大きく前進した。
フルボード(3食付き)
Full Board
ホテルの食事プランの区分で、宿泊に朝食・昼食・夕食の3食が付くもの。朝食付きのBB(B&B)、朝夕2食付きのHB(ハーフボード)、飲み物なども含むオールインクルーシブと並べて使われ、リゾートで終日過ごす客や家族連れ向けとされる。
このリゾートはFBプランなら昼食もホテル内のレストランでとれる。
平鋼(フラットバー)
flat bar
建築図面で、平鋼(フラットバー。断面が長方形の帯状の鋼材)を表す略号。国土交通省の建物平面図等図示記号の略号表に、プレート(PL)やあばら筋(STP)などと並んで載っている。
構造図の部材表に、FBと書かれた平鋼が指定されていた。
ファンクションブロック
Function Block
PLC(シーケンサ)の国際規格 IEC 61131-3 で定められたプログラム構成単位(POU)の一つ。PROGRAM、FUN(ファンクション)と並ぶ。内部状態を持たず同じ入力なら必ず同じ結果になる FUN と違い、FB は状態を持てる部品として使う。
モーター制御の処理をFBにまとめ、ラインごとに呼び出して使った。
フェライトビーズ
ferrite bead
基板設計で、フェライトビーズ(高周波ノイズを抑える部品)に付ける部品記号(リファレンス)。FB1、FB2のように番号を付ける。インダクタの L を使う流儀もあり、決まりは設計ごとに異なる。
電源ラインのノイズ対策として、回路図のFB1の位置にビーズを入れた。
FBの六つで、fullで始まるのは二つだけ
月末の経理部では「FBデータを銀行に送って」と言われ、同じ建物の現場事務所では、構造図の部材表に「FB」と書かれた鋼材が指定されている。PLCの制御を組む人は「このFBは使い回せる」と言う。どれも同じ二文字だ。では、六つのFBを英語に開いたとき、頭の F は同じ語から来ているのだろうか。
開いてみると、そろっていない。銀行は Firm Banking、建築は flat bar、製造は Function Block、電子部品は ferrite bead。F は firm、flat、function、ferrite とばらばらで、B も banking、bar、block、bead と重ならない。
例外が二つある。アメリカンフットボールの fullback と、ホテルの Full Board だ。F はどちらも full で、後ろだけが back と board に分かれる。同じ full で始まるのに、一方は攻撃で味方の前を走ってブロックする選手の名前になり、もう一方は宿泊に朝食・昼食・夕食の3食が付くプランの名前になった。
ホテルの二文字は、&で別の語になる
ホテルにはもう一つ、紛らわしい表記がある。F&B だ。こちらは food and beverage、つまり飲食のことで、ホテルの飲食サービスを食事プランにまとめることが多い。ただし、食事プランの FB(full board)とは別の語だ。Chatlyn の用語集は、F&B を “food and beverage” と説明し、食事プランの一覧には Room only、Bed and breakfast、Half board、Full board、All inclusive を並べて、Full board を “breakfast, lunch and dinner” と書いている。
予約画面の料金表に FB と HB(half board、朝食と夕食の2食)が並んでいても、レストランの案内に F&B と書かれていても、&が付くかどうかで指しているものが変わる。
冒頭の「FBデータ」は、銀行の FB、つまり firm banking のものだ。企業のコンピューターと銀行を通信回線でつなぎ、給与振込や総合振込をオフィスから一括で処理する仕組みで、会計ソフトから出力するデータをそう呼ぶのも、この語の延長にある。
製造の FB は、PLC の国際規格 IEC 61131-3 で決められたプログラムの単位の一つだ。電子部品の FB1 は、基板の上でノイズを抑えるフェライトビーズに付ける部品記号で、設計ごとに決まりが違う。
月末に会計ソフトで作るファイルも、図面に書かれた鋼材も、制御プログラムの部品も、基板の FB1 も、同じ二文字で呼ばれている。経理の人が受け取った図面を見て「FBって、うちのFBと関係あるんですか」と聞いたなら、答えは「ありません」になる。