略語

FF

エフエフ

6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

自動車・輸送機器

フロントエンジン・フロントドライブ(前輪駆動)

Front-engine Front-drive

車体前方に積んだエンジンで前輪を駆動する方式。駆動系が前に集まるため室内を広く取りやすく、小型車から乗用車まで広く使われる。後輪駆動のFR、四輪駆動の4WDと並べて、車の駆動方式を分ける基本の呼び名になる。

この車はFFなので、雪道の発進でも前輪に荷重がかかって安定しやすい。

銀行・融資

FF金利(フェデラル・ファンド・レート)

Federal Funds rate

米国の代表的な短期金利。フェデラル・ファンド(FF)レートとも呼ばれます。

出典:金融・証券用語解説『FF金利』(大和証券)

米国の銀行どうしが準備預金を翌日までやり取りする短期金利で、FRBの金融政策の誘導目標になる。FOMCが決め、「4.25〜4.5%」のように幅で示される。為替や株の取引では、FF金利の見通しが相場を動かす材料として毎回確認される。

FOMCでFF金利の据え置きが決まり、ドル円はほとんど動かなかった。

半導体・電子部品

フリップフロップ

flip-flop

1ビットの情報を保持する論理回路。クロック入力を持つエッジトリガ型では、クロックの変化に合わせて入力の値を取り込んで保つ。D-FF、JK-FF、SR-FFのように種類を頭に付けて呼び、シフトレジスタやカウンタを組む基本部品になる。

このカウンタはD-FFを4段つないで作ってある。

ゲーム・eスポーツ

ファイナルファンタジー

Final Fantasy

スクウェア(現スクウェア・エニックス)のロールプレイングゲームシリーズ『ファイナルファンタジー』の略称。作品番号を付けてFF7のように呼ぶ。「ドラゴンクエスト」の「ドラクエ」と同じ4文字でエフエフと略せる名にしたかった、という命名の経緯が伝わる。

FF7のリメイクを遊ぶ前に、原作をもう一度クリアした。

音楽(演奏・楽器)

フォルティッシモ(非常に強く)

fortissimo

楽譜に書く強弱記号で、「非常に強く」演奏する指示。イタリア語forte(強く)の最上級fortissimoの略で、f(フォルテ)より強い。さらに強くするときはfffのようにfを3つ以上重ねる。

終結部の和音はffなので、管楽器も思い切り鳴らしてください。

IT・システム開発

改ページ(フォームフィード)

Form Feed

ASCII の制御文字のひとつで、コードは10進の12(16進の0x0C)。プリンターに現在のページを排出させ、次のページの先頭から印字を続けさせる命令として使われた。Ctrl+L や ^L とも表記される。いまのOSでは印刷プログラムが直接送ることは少ない。

ログファイルの区切りに FF が入っていて、プリンターに出すと改ページされた。

題を替えても動かなかった、FFの二文字

『ファイナルファンタジー』は、開発のはじめには『ファイティングファンタジー』という題だった。海外のテーブルトークRPGがすでに使っていて、商標の都合で使えず、いまの題に決まった。

題の半分を取り替えたのに、略称はFFのまま動かなかった。頭文字が無傷で済んだのはなぜか。

順序が逆だったからである。Wikipedia日本語版『ファイナルファンタジー』によると、『ドラゴンクエスト』が「ドラクエ」の4文字なので、同じ4文字で「エフエフ」と読め、略せばFFになる名にしたい、という考えがあった。FFという略称が先にあり、その条件を満たす題を探していたことになる。ファイティングもファイナルも、頭文字はFとFだ。条件に合う題は一つではなかったので、片方が使えなくなっても、もう片方に替えられたのだろう(これは私の推測で、資料にそう書かれているわけではない)。

ほかのFFはどうか。車のFFは Front-engine Front-drive、銀行のFF金利は Federal Funds、電子回路のFFは flip-flop、ITのFFは Form Feed。ゲームを含めて五つが、二語の頭文字がたまたまFとFでそろった形をしている。Form Feed は、プリンターに次のページへ進むよう命じるASCIIの制御文字で、コードは10進の12、キーボードでは Ctrl+L と打つ。ゲームの題とは違って、頭文字を先に決めた話は確かめられていない。

音楽のffだけが、仕組みが違う。fortissimo(非常に強く)は一語で、forte の最上級にあたる。その頭文字のfを二つ並べて、f(フォルテ)より強い指示にする。二語の頭文字がそろったのではなく、一語の頭文字を重ねて強さを表している。

重ねる方向にも違いが出る。楽譜では、さらに強くしたいときにfを足してfffと書く。ゲームでは、足すのは文字ではなく番号で、FF7のように呼ぶ。同じFFでも、譜面の上では文字が増え、ゲームの棚では数字が増える。