用語

ホーム

ホーム

3つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

鉄道

ホーム(プラットホーム)

platform

駅の構内で線路に沿って設けられ、旅客が列車に乗り降りする場所。「プラットホーム」の略で、「上りのホーム」「ホームの番線」のように、駅の運用では線路とセットで番号を振って呼ぶ。島式・相対式などの形式があり、転落防止のホームドアを置く駅も増えている。

上り列車は2番線ホームから発車しますので、白線の内側でお待ちください。

スポーツ・フィットネス

ホーム(野球:本塁/ホームゲーム)

home

競技によって2通りに使う。野球・ソフトボールでは走者が最後に踏んで得点が入る本塁(ホームベース)の略。球技全般では、自チームの本拠地で行う試合(ホームゲーム)や、その本拠地を指す。相手の本拠地での試合はアウェイ(野球ではビジター)と呼ぶ。

三塁走者が好返球をかいくぐってホームに滑り込み、同点に追いついた。

介護・福祉

ホーム(老人ホーム)

home

高齢者が入居して暮らす施設の略称で、現場では「ホーム」と呼ぶ。有料老人ホームは、入浴・排せつ・食事の介護や食事の提供などを行う事業の施設として老人福祉法に定められ、介護付・住宅型・健康型の3類型がある。介護付は施設自身が介護保険の特定施設入居者生活介護を提供し、住宅型は外部の訪問介護などを使う。

母は来月から住宅型のホームに入居し、介護は訪問介護の事業所に頼むことになった。

家、砦、台。三つのホームの出どころ

駅のホームで電車を待っている人は、家のことを考えていない。ところが、三つの「ホーム」のうち二つは英語の home で、駅のホームだけがそうではない。

デジタル大辞泉は、「ホーム」を二つの見出しに分けている。ひとつは home、もうひとつは「プラットホーム」の略としての platform である。platform はフランス語の plateforme から来た語で、字義どおりには「平らな形」にあたる(Wiktionary による)。線路ぎわの平らな台に、家庭の意味は入っていない。

では、home のほうの二つは、素直に「家」でつながっているのだろうか。

老人ホームは、そのとおりである。デジタル大辞泉では、自宅で暮らすのがむずかしい高齢者を迎える施設として、home の項に並んでいる。有料老人ホームは老人福祉法に定められた施設で、入浴・排せつ・食事の介護や食事の提供などを行う(北海道の解説による)。入居した人にとっては、そこが暮らしの場になる。

野球のほうは、そう単純ではない。辞書は同じ home の項に「home base の略」としてこの意味を置いているが、日本語は別の訳を当てた。精選版日本国語大辞典が野球の意味での初出例に挙げているのは、高橋雄次郎『新式ベースボール術』(1898年)である。ベースの隅に書いた「H」を英語で「ホーム」と呼び、これを「本塁」「牙営」「本営」などと訳す、という説明だ。

「牙営」も「本営」も、軍の陣営を思わせる字面である。同じ辞書は、「本塁」の最初の用例として野球とは関係のない1877年(明治10年)の朝野新聞を挙げていて、そこでは「蘭兵敵の本塁に迫りしに」と、拠りどころとする砦の意味で使われている。走者が最後にたどり着く場所に、訳した人は家庭ではなく、砦や本営の感じを選んだわけだ。なぜそう訳したのかは、読めた資料からはわからない。

老人ホームは家、野球の本塁は砦の字で訳した home、駅のホームは平らな台である。それでも日本語では、三つとも「ホーム」と呼ぶ。「ホームに入る」と聞いて、老人ホームか、駅か、野球かを決めるのは、前後の言葉だけだ。

次に駅のホームに立ったら、足もとの白線の内側を見てほしい。そこは、フランス語の「平らな形」から来た床である。