リフト
リフト
6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
リフト(増分効果)
lift
広告を見せたグループと見せなかったグループの成果の差から、広告が生んだ純増分を測る考え方。コンバージョンリフト測定では、広告を見た介入群と表示されなかった対照群のコンバージョン数の差を比べ、広告がなくても起きていた成果を差し引いた因果的な効果(増分効果)をつかむ。
このキャンペーンはコンバージョンリフトを測って、純粋な増分で評価しよう。
揚力
lift
飛行機の翼などが空気の流れの中で受ける力のうち、流れの向きに垂直にはたらく成分。物体と空気の速度の差から生まれ、機体の重さに逆らって機体を空中に保つ力になる。
離陸滑走で速度が上がり、揚力が機体の重さを上回ると機体が浮き上がる。
移動用リフト
lift for transferring people
つり具又はいす等の台座を使用して人を持ち上げ、キャスタ等で床又は階段等を移動し、目的の場所に人を移動させるもの。
自力で動くのが難しい人をつり具や台座で持ち上げ、ベッドから車いすへ移すなどの介助に使う福祉用具。介護保険の福祉用具貸与の種目で、床を移動する床走行式、居室や浴室に固定する固定式、床に置く据置式の三つの型式がある。つり具の部分は貸与の対象から外れ、購入の対象になる。
ベッドから車いすへの移乗は、床走行式のリフトを使うと介助者の腰の負担が減る。
建設用リフト
construction lift
土木・建築工事の現場で、資材などの荷だけを上げ下ろしする工事用のエレベータ。人は乗せない。揚重物を垂直に運ぶ現場の設備で、タワーリフト、一本構・二本構リフトなどの型式がある。
外装の資材は建設用リフトで上の階へ揚げる。
ハンドリフト
hand pallet truck
パレットの下に油圧式のフォークを差し込み、持ち上げて運ぶ手動の荷役機器。ハンドパレットトラック、ハンドリフター、パレットジャッキとも呼ばれ、免許なしで扱える。狭い通路や小規模な倉庫でも使え、物流現場・小売店舗・工場で使われる。
ピッキングした荷はハンドリフトで出荷口まで運んでおいて。
リフト(フィギュアスケート:ペアの持ち上げ要素/ラグビー:ラインアウトの持ち上げ)
lift
フィギュアスケートのペアでは、男性が女性を持ち上げて滑る要素。女性が男性の頭上を通るときの握り方で5つのグループに分かれ、男性は1回転以上しなければならず、腕を伸ばしきった後で曲がり始めた時点で終わりとされる。ラグビーのラインアウトでは、ボールを取るために跳ぶ味方を持ち上げて支える動作を指し、ジャンパーの太もも(後ろからは短パン)より下を支えてはならない決まりがある。
ペアはスロージャンプやリフトの出来が得点を左右する。/ラインアウトでは、リフトで支える位置は太ももより下にならないよう気をつける。
人を持ち上げるリフトは、どこを持つかで書き分けられる
ラグビーのラインアウトで、味方を持ち上げる動作もリフトと呼ぶ。Rugby Coach Weeklyの解説記事は、競技規則19.10(d)として、こう引いている。ジャンパーを、後ろからは「短パンより下」、前からは「太ももより下」で支えてはならない。同じ記事は、後ろのリフターは規則上どのみち短パンを握ることになる、とも書く。持つ場所が、禁止の形で先に決まっているわけだ。
人を持ち上げる仕事なら、どの現場でも同じ種類の決まりがあるのだろう。ところが、決まりの形はそれぞれずれている。
フィギュアスケートのペアでは、持つ場所は分類の軸になる。Wikipediaの Pair skating の項によれば、リフトは5つのグループに分かれ、グループを決めるのは、女性が男性の頭の上を通る瞬間の握りだ。腋の下、腰、腰または膝より上の脚、そして手と手(これは2つのグループ)。持ち上げ終えたあとの姿勢ではなく、通過の一瞬の握りで区分される。男性は少なくとも1回転しなければならず、腕を伸ばしきったあとで曲げ始め、女性が降り始めた時点でリフトは終わる。ラグビーでは持ってよい位置の下限が決まっていたのに、ここでは持つ位置が得点の区分になっている。
介護では、持つ場所がそもそも人の手から離れる。厚生労働省の告示は、床走行式リフトを「つり具又はいす等の台座を使用して人を持ち上げ、キャスタ等で床又は階段等を移動し、目的の場所に人を移動させるもの」と定める。支えるのは介助者の手ではなく、つり具か台座だ。そのつり具は貸与の対象から外れ、購入の種目になる。機械の本体は借りられても、体に触れる布は個人の持ち物になる。
建設現場のリフトと、倉庫のハンドリフトには、人を持つ話が出てこない。建設用リフトは荷だけを運ぶ工事用のエレベータで、人は乗せない。ハンドリフトが差し込むのはパレットの下で、上げる相手は荷だ。
並べると、人を上げる三つの現場の違いが見える。ラグビーは、人が人を持ち上げ、位置の下限を禁じる。フィギュアは、人が人を持ち上げ、握りで区分する。介護は、機械が人を持ち上げ、つり具という用具に預ける。どれも「持ち上げる」と訳せるが、決まりが縛っているものは、支える位置、握りの区分、用具の型式とばらばらだ。
「リフトを入れておいて」と言われて聞き返すなら、「何を上げるの」の次に、もう一つ要る。「どこを持つの」。ラインアウトなら答えは短パンで、介護の現場ならつり具である。