用語

ライン

ライン

6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

機械・生産

生産ライン

production line

同じ製品や部品を大量につくるため、工程を順に並べて製品を流していく流れ作業の仕組み。現場では「ライン作業」「ラインが止まる」のように設備と作業の並び全体を呼ぶ。各工程の作業量をならす調整は「ラインバランシング」と呼ばれ、時間のかかる工程(ボトルネック)の作業をほかの工程へ割り振るなどして流れをそろえる。

検査工程で不良が続いたため、ラインを一時停止して原因を調べた。

音響・レコーディング

ラインレベル/ライン入力

line level

ラインレベル信号は約1ボルトで、これはマイクレベル信号の約1000倍の強さにあたります。

出典:Shure「ラインレベルとマイクレベルの違い」

ミキサーやアンプなど、機器どうしをやり取りするときの標準的な信号の強さ。マイクが拾う信号よりずっと強く、ライン入力はRCAジャックやフォーンジャックで受けることが多い。マイクやエレキギターの信号は、ミキサーやプリアンプでラインレベルまで持ち上げてから扱う。

シンセの出力はラインレベルなので、ミキサーのMIC端子ではなくLINE入力に挿した。

マーケティング・CRM

製品ライン

product line

機能、ターゲット顧客、価格帯、販売チャネルなどを共有する、関連の深い製品の集まり。ラインに含まれる品目の数を「長さ」、1品目あたりの色・サイズ・容量などの種類の数を「深さ」と呼び、品ぞろえの広がりを検討する物差しにする。

来期は価格帯の低い製品ラインを加えて、ラインの長さを広げる。

アウトドア・釣り・キャンプ

釣り糸

fishing line

リールに巻いて、竿の先から仕掛けやルアーまでをつなぐ釣り糸。素材はナイロン、フロロカーボン、PE(細い繊維を編んだ糸)が代表的で、伸び・沈みやすさ・強度が違うため、釣り方や魚に合わせて選ぶ。糸の先に結ぶ別素材の短い糸は「リーダー」「ハリス」と呼び分ける。

遠投したいので、道糸はPEラインにして先端にフロロのリーダーを結んだ。

人事・人材

ライン部門/ライン職

line (department / position)

営業・製造・開発など、売上や生産に直接つながる業務を担い、部長・課長といった指揮命令系統に属する部門や職種。人事・経理のように専門知識でライン部門を支える「スタッフ部門/スタッフ職」と対にして使う。「ライン管理職」は、指揮命令系統に沿って部下と業務を統括する管理職を指す。

評価制度の見直しは、人事だけでなくライン管理職の意見も聞いて進める。

スポーツ・フィットネス

ライン(アメフト:オフェンスライン/ディフェンスライン)

line (American football)

アメリカンフットボールで、攻撃側と守備側にそれぞれあるポジションの一群とその選手たち。攻撃側のオフェンスラインはブロックでランの進路を切り開き、パスが円滑に通るようにする。守備側のディフェンスラインは相手のオフェンスラインに全力で当たって攻撃を止める役で、大柄の選手が担当する。

今年はオフェンスラインが安定して、クォーターバックがじっくり投げられている。

線の前で人が止まる、1880年と1913年

アメフトのオフェンスラインは、プレーが始まる直前、ボールの前に並んで動かない。向かい合う守備側も動かない。ボールの取り合いになれば、こんな静止は成り立たないはずだ。なぜ、両側の選手はじっと待てるのか。

ボールが攻撃側のものだと、先に決まっているからである。Wikipedia の「Line of scrimmage」の項は、この線が「first came into use in 1880」、つまり1880年に初めて使われたとし、考案者をウォルター・キャンプとしている。それ以前の形は、ラグビーに由来するボールの取り合いだった。取り合いをやめ、線を引き、ボールを片方に渡す。線の前後に人が並ぶ競技は、そこから始まった。

線が、人を止めた。

33年後の1913年10月7日、フォードのハイランドパーク工場で、別の線が動き出す。MotorCities National Heritage Area の解説によると、シャシーはロープとウインチで床の上をゆっくり引かれ、組立工は間隔を置いて立ち、通りかかる車に部品を付けていった。こちらも人は止まっている。動くのは、車のほうだ。

1880年の線では、止まった人の前でボールが動き出す。1913年の線では、止まった人の前をシャシーが通り過ぎる。どちらの「ライン」も、人を一か所に立たせるところから始まっている。

人事の言葉では、立つ人の呼び名がもうひとつ増える。営業・製造・開発のように売上や生産に直接つながる部門と職種を、人事では「ライン部門」「ライン職」と呼び、人事や経理の「スタッフ部門」と対にする(壱倫の解説による)。組立ラインに立つ人は、人事の言葉でもラインにいる。製造のラインと人事のラインが同じ人を指しうる、というのは、並べて眺めた側の読みである。この二つの「ライン」が同じ由来かどうかは、確かめられていない。

線の上に置かれたボールは、スナップで後ろへ動く。そこまでは、線の両側の選手はみな動かない。