MA
エムエー
4つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
マーケティングオートメーション
Marketing Automation
見込み客(リード)の獲得から育成、購買の後押しまでを自動化するツールや仕組み。フォームやランディングページで集めた連絡先に、メール配信や行動に応じたシナリオを走らせ、閲覧やクリックにスコアをつけて、関心が高まった客を営業へ引き渡す。CRMやSFAと組み合わせて使われる。
MAでスコアが一定以上になったリードだけを営業に渡す運用に変えた。
移動平均線
Moving Average
一定期間の終値の平均を日々ずらしながら計算し、線でつないだテクニカル指標。5日・25日・75日などの期間で表し、値動きの向きや勢いを読む。株価が線を上抜ければ上昇の入り口、下抜ければ下落の入り口と見る売買の目安に使われ、単純平均(SMA)や指数平滑(EMA)などの種類がある。
株価が25日MAを上抜けたので買いを検討している。
MA(映像編集後の音声仕上げ)
Multi Audio
MAとはマルチオーディオの略で、録音した声と、環境音、音楽、ナレーションなどを混ぜ合わせて、映像に適した納品物をつくる作業だ。
映像の編集が終わったあとに、セリフ・環境音・効果音・音楽・ナレーションをマルチトラックで重ねて整え、納品用の音声に仕上げる工程。NHK技術研究所が1966年(昭和41年)に開発した MA-VTR(Multi Audio VTR)の名称が略称として残ったとされる。テレビ番組やCMの仕上げで使われ、作業を行う部屋はMAスタジオ・MAルームと呼ばれる。日本で通じる呼び方で、米国では video sweetening という。
ナレーション録りはMAの当日に行います。
メディカルアフェアーズ
Medical Affairs
製薬企業で、医師など医療従事者や外部の専門家と医学的・科学的な情報をやり取りする部門。学会や論文での情報発信、アドバイザリーボードやMSL(医学的な対話を担う担当者)の面談を通じた専門家の意見の収集を担う。販売促進とは切り離され、創薬研究から市販後調査まで製品のライフサイクル全体に関わる。
適応拡大のエビデンス作りはMAが中心になって進める。
MAのうち、機械の名前が残ったのは映像だけ
同じ放送局の中で、番組の担当者が「MAは明日」と言えば、音の仕上げの日取りの話である。広告の担当者が「MAを入れる」と言えば、配信ツールの話になりうる。
MAの正式名称は、少なくとも四つある。マーケティングのMarketing Automation、相場分析のMoving Average、製薬のMedical Affairs、映像のMulti Audioだ。前の三つは、やることや指標の名前の頭文字である。映像のMAだけは、もとが機械の名前だった。
機械の名前が作業の名前になった
映像編集のあとに音を整える工程を指すMAは、NHK技術研究所が1966年(昭和41年)に開発したMA-VTR(Multi Audio VTR)に由来するとされる。VTRはビデオテープレコーダー、つまり映像を記録する装置である。この装置は映像と複数トラックの音声をまとめて扱えた。その名前からVTRの部分が落ち、Multi Audioの頭文字だけが残った、という筋である。
現在のMAについて、宣伝会議の媒体AdverTimesは「MAとはマルチオーディオの略で、録音した声と、環境音、音楽、ナレーションなどを混ぜ合わせて、映像に適した納品物をつくる作業だ。」と説明している(AdverTimes)。装置を指していた語が、いまは作業を指す語として使われている。作業を行う部屋がMAスタジオ、MAルームと呼ばれるのも、この延長にある。
国境を越えると通じない
ほかの三つのMAは、英語圏の語をそのまま略したものだ。映像のMAは日本の現場で通じる呼び方で、米国では同じ工程を video sweetening と呼ぶという。海外の相手に「MAをお願いします」と言っても、映像の音の仕上げだとは伝わりにくいだろう。
なお、映像のMAの語源は、AdverTimesや、Weblio辞書に載る日本映像ソフト協会・音楽電子事業協会の用語集の記述にもとづくもので、一次資料までは確かめていない。
冒頭の放送局で「MAは明日」と言う担当者の口にあるのは、1966年に開発された装置の名前の頭文字だとされる。広告の担当者が言う「MA」には、そうした機械の名前は残っていない。