略語

ML

エムエル

5つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

AI・データ

機械学習

machine learning

機械学習(きかいがくしゅう、英: machine learning)とは、経験からの学習により自動で改善するコンピュータアルゴリズムもしくはその研究領域で、人工知能の一種であるとみなされている。

出典:Wikipedia日本語版「機械学習」

データから規則やパターンを学習し、予測や分類を行うモデルを作る技術。人手で規則を書かず、学習データを使って性能を高めていく。AI の一分野とされ、迷惑メールの振り分けなどに使われる。現場では「MLモデル」「ML基盤」のように略して使う。

このMLモデルは、週次で再学習して精度の劣化を確認しています。

インフラ・クラウド・セキュリティ

メーリングリスト

mailing list

1つの代表アドレスに送ったメールが、リストに登録した全メンバーへ転送される仕組み。運営にはメールサーバーの知識が要り、参加には登録の手続きが必要になる。特定の話題やグループでの情報交換に使われ、のちに掲示板や SNS に移る例も増えた。

障害の一報は運用チームのMLに流して、全員に届くようにしてください。

IT・システム開発

ML(関数型プログラミング言語)

ML (Meta-Language)

1973年に始まったエディンバラ大学の Edinburgh LCF の計画で、ロビン・ミルナーらが証明の道筋を記述するメタ言語として作った関数型言語。名前もそこに由来する。型推論を備え、標準として Standard ML があり、OCaml などの実装もある。

大学の授業では、型推論の例として ML 系の言語が使われた。

医療・医学

悪性リンパ腫

malignant lymphoma

血液のがんの一つで、リンパ系の組織から発生する悪性腫瘍。英語の Malignant Lymphoma の頭文字をとって「ML」と略す。

生検の結果、MLの疑いで血液内科に紹介された。

学術・研究

ローカルマグニチュード(リヒターのマグニチュード)

local magnitude

地震の規模を表すマグニチュードの一種で、記号は ML。ウッド・アンダーソン式地震計の記録の最大振幅を震央距離100 kmの値に換算し、常用対数をとって求める。1935年に地震学者リヒターが考案した。

この地震のMLは5.2と報告された。

MLのLは、四つで名詞、一つで修飾語

MLを、英語の頭から順にM、Lと読んで解けるだろうか。

機械学習は machine learning、メーリングリストは mailing list、悪性リンパ腫は Malignant Lymphoma、関数型言語のMLは Meta-Language。四つとも、Mは前の語(機械、メール、悪性、メタ)の頭文字で、Lが後ろの名詞(学習、リスト、リンパ腫、言語)にあたる。左から読めば解ける。

残る一つで、この読み方が通らない。ローカル・マグニチュードの正式名は local magnitude で、左から読めばLのあとにMが来るはずだ。ところが記号はMLと書く。

これは書き間違いではなく、地震学の約束事である。マグニチュードには、「M」に続けて区別の記号を付けて種類を書く。モーメント・マグニチュードは Mw、表面波マグニチュードは Ms、気象庁マグニチュードは Mj。Mが名詞の「マグニチュード」で、あとの文字がその種類を示す。ローカルなら、Mに添え字のLを付けてMLになる。英語の語順で略したのではなく、種類を書き足す形で記号ができている。

最初のマグニチュードは、アメリカの地震学者チャールズ・リヒターが1935年に考案した。日本の和達清夫が最大震度と震央までの距離を書き込んだ地図に着想を得たという。この最初の尺度が、ローカル・マグニチュード(ML)と呼ばれている(日本語版Wikipedia「マグニチュード」による)。ウッド・アンダーソン式地震計の記録の最大振幅を、震央から100 kmの地点の値に換算し、常用対数をとる。南カリフォルニアの、深い地震がほとんどない環境に合わせた尺度で、地震計からおよそ600 km以内の近い地震にしか使えなかった。Localの名は、この適用範囲の狭さと並べて読むと腑に落ちる。ただ、名の由来そのものを説明した記述は、確かめた資料の中にはなかった。

もう一つのMLは、1973年に始まった。エディンバラ大学の Edinburgh LCF の計画で、証明の道筋を関数として書くメタ言語として作られた言語が、MLと名づけられた。Metaの頭文字を取る、左から読める略し方である。リヒターのMLから38年後に、同じ二文字が別の分野で使われ始めたことになる。

「この地震のMLは5.2」の文では、Lは「ローカル」で、Mが主役だ。「障害の一報はMLに流して」の文では、Lは「リスト」で、Mは「メーリング」にすぎない。