略語

PB

ピービー

3つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

小売・店舗

プライベートブランド

private brand

スーパーやコンビニなどの小売企業、または卸売企業が自社で商品を企画し、メーカーに製造を委託して、自社の独自ブランド名で自社店舗に並べる商品。全国のメーカーが作って広く流通するナショナルブランド(NB)と対になる言葉。小売の配送網を使い、宣伝費をかけないことでコストを抑えられ、NBより利益率が高いとされるため、売場づくりや粗利の話でよく出てくる。

この棚はNBが強いので、PBはあえて価格帯をずらして展開しよう。

スポーツ・フィットネス

自己ベスト(自己最高記録)

Personal Best

陸上競技やランニングなど、タイムや距離で成績が決まる競技で、選手がその種目でこれまでに出した最高の記録。世界記録や日本記録のような公認記録とは別に、本人にとっての最高を示す。陸上競技のリザルト(成績表)では、その年の自己最高を示すSB(Season's Best)と並んで記録の横に付けられる。市民ランナーの間でも「PB更新」のように使う。米国では同じ意味でPR(Personal Record)と言うことが多い。

今日のレースは10km、PBを30秒更新できた。

銀行・融資

プライベートバンキング

private banking

資産を多く持つ富裕層を対象に、預金・資産運用・事業承継・相続・税務の相談などをまとめて提供する金融機関の業務、またはその部門。大手銀行だけでなく地方銀行も手がけており、そこで担当する人を「プライベートバンカー」(これもPBと略す)と呼ぶ。日本証券アナリスト協会には、同じ略称を使うプライベートバンカー資格があり、PBコーディネーター(初級)・プライマリーPB(中級)・シニアPB(上級)の3段階に分かれる。

オーナー社長の相続の相談は、PB部門につないでおいたほうがいい。

商品、記録、人。PBが指すものの種類

「PB更新」と書かれていれば、市民ランナーの話だろう。「PBの売上が伸びた」なら小売、「PBの担当になった」なら銀行の話になる。3つとも書かれているのは同じ2文字で、意味を決めているのは前後の語だけである。ペタバイト(Petabyte)と読む人もいるはずだが、これはIT一般のデータ量の単位で、特定の業界に固有の意味とは言えないため、ここでは取り上げない。

商品、記録、人

小売のPB(プライベートブランド)は、商品を指す。全国のメーカーが作って広く流通するナショナルブランド(NB)と対にして語られ、「NBより利益率が高いとされる」(日本経済新聞)ため、売場づくりや粗利の話に顔を出す。

陸上競技のPB(Personal Best)は、記録を指す。リザルトでは、その年の自己最高を示すSB(Season’s Best)と並んで、記録の横に付く。世界記録や日本記録のような公認記録とは別に、本人にとっての最高を示す印である。米国では同じ意味をPR(Personal Record)と言うことが多い。

銀行のPB(プライベートバンキング)には、こうした対の相手が出てこない。代わりに、指す先が三つある。富裕層向けの業務や部門、そこで働く「プライベートバンカー」という人、そして日本証券アナリスト協会にある、同じ略称のプライベートバンカー資格である。資格はPBコーディネーター(初級)、プライマリーPB(中級)、シニアPB(上級)の3段階に分かれている。業務も人も資格も、同じ2文字で呼べる。

展開形に並ぶ「個人」

展開形を並べると、private brand、Personal Best、private banking になる。private が2つ、personal が1つで、どれも「自分」「個人」に関わる語に見える。3つが同じ発想から生まれたのだろうか。語源は確かめていないので、何も言えない。

ただ、同じ「個人」でも向いている先は違う。小売のprivateは、売る側の企業が自社で企画して、自社ブランド名で並べることを指す。陸上のpersonalは、競技をする本人である。銀行のprivateは、顧客である富裕層の一人ひとりを指す。

冒頭の3つの文は、売場、競技場、銀行から、それぞれ別々に出てきた言葉である。