略語

PL

ピーエル

7つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

会計・税務・監査

損益計算書

Profit and Loss statement

一定期間の収益と費用を並べ、そこから利益か損失がいくらになったかを示す財務諸表。売上高から売上原価、販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益、税金を順に加減して最終的な純利益を出す。貸借対照表(BS)と対にして経営成績を読むときに使い、P/L と書くこともある。

今期のPLを見ると、売上は伸びたが販管費がかさんで営業利益は前年を下回っている。

法律・知的財産

製造物責任(PL法)

Product Liability

製造物の欠陥で人の生命・身体・財産に損害が出たとき、製造業者等が負う賠償責任、またはそれを定めた製造物責任法(PL法)。民法の不法行為と違い、被害者は加害者の過失ではなく製品の欠陥を立証すればよい。1994年公布、1995年7月1日施行で、所管は消費者庁。メーカーの法務ではPL保険や表示の見直しの話題にもなる。

取扱説明書の警告表示は、PL法上の欠陥を問われないよう法務が確認する。

海運・貿易

包装明細書(パッキングリスト)

Packing List

輸出入貨物の個数、包装後の重量・容積などを記した書類で、仕入書(インボイス)を補う。価格や決済の情報は通常載せない。税関から提出を求められることがあり、混載貨物では通関業者から求められることもある。仕入書と1つの書類で兼ねる場合もある。

通関業者からインボイスとPLを先に送るよう言われた。

写真・カメラ

PLフィルター(偏光フィルター)

Polarized Light filter

レンズの前に付けて、水面やガラスの反射、空中で乱反射した光をカットする偏光フィルター。青空を濃くし、被写体のテカリを抑えて色を鮮やかに見せる。枠を回して効果の強弱を調整する。現在のAE・AF一眼レフやミラーレスでは、測光やピント合わせに支障が出にくい円偏光のC-PLフィルターが一般的。

紅葉の葉のテカリを抑えるため、PLフィルターを付けて撮った。

スポーツ・フィットネス

プレミアリーグ(サッカー)

Premier League

イングランド・サッカーの最上位リーグ。1992年に旧1部のクラブがイングランド・フットボールリーグから分かれて設立され、1995-96シーズンから20クラブで争う。順位表や試合日程では PL と略されることがあり、海外では English Premier League の頭文字で EPL とも呼ばれる。

週末はPLの上位対決を観戦する。

建設・建築

鋼板(プレート)

Plate

鉄骨の構造図で鋼板を表す記号。「PL-12」「PL12×200」のように、PLの後ろに板厚(mm)を付けて書き、幅や長さを続けて示すこともある。ベースプレートやスチフナー(補強板)、ガセットプレート(接合部の板)など、鋼板から切り出す部材の表記に使う。

柱脚のベースプレートは図面どおりPL-25で発注してください。

分析・計測

フォトルミネッセンス(PL)法

Photoluminescence

試料に光を当てて励起し、電子と正孔が再結合するときに出る光を測る分光分析の手法。光を当てて測るだけなので試料に触れずに測れ、半導体のバンドギャップ(電子が移れるエネルギー差)、欠陥や不純物、ドーパント、応力、組成のばらつきの評価に使う。シリコンなどの半導体、化合物半導体、2D材料のウエハーやデバイスが主な対象。

ウエハー面内の欠陥の分布をPL測定で確認した。

二つのPLが今の形になった1995年

PLが指す意味のうち、今の形になった年を言えるものが二つある。製造物責任法(PL法)と、イングランドのプレミアリーグだ。どちらも1995年である。出来すぎた偶然に見えるが、両者に直接の関係はなく、これは単なる年の重なりにすぎない。

PL法は1994年7月1日に公布され、1995年7月1日に施行された。法律の正式名は「製造物の欠陥により生じた損害賠償の責任に関する法律」で、略称のPLは Product Liability から来ている。民法の不法行為と違い、被害者が立証すべきなのは加害者の過失ではなく製品の欠陥である。所管は消費者庁だ。公布から施行まで丸1年の準備期間があり、企業はこの間に取扱説明書の警告表示やPL保険を見直した。施行された1995年は、メーカーの現場で「PL元年」と呼ばれることがある。

プレミアリーグのほうは、1992年に旧1部のクラブがイングランド・フットボールリーグから分かれて設立された。PL法より先に生まれている。ただし最初の3シーズンは22クラブで争っていた。20クラブ制になったのは1995-96シーズンからである。1994-95シーズンに4クラブが降格し、昇格は2クラブにとどめて数を減らした。順位表や試合日程では PL と略され、海外では English Premier League の頭文字で EPL とも呼ばれる。この順位表の形が今と同じになった年が、PL法の施行と同じ1995年だったことになる。

ほかのPLは、この年の重なりに加わらない。会計の損益計算書(Profit and Loss statement)、輸出入貨物の書類であるパッキングリスト、写真のレンズに付ける偏光フィルターは、いつ生まれたかを一つの年に絞れる語ではないからだ。偏光フィルターについては、現在の一眼レフやミラーレスでは円偏光のC-PLが一般的だという。

1995年は、日本とイングランドで別々の出来事が起きた年だった。日本で「PL」と書けば、1995年前後はおそらく法律の話だったはずだ。同じ年のイングランドで同じ二文字が指していたのは、クラブ数を20に絞った新しいシーズンである。