PM
ピーエム
5つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
プロジェクトマネージャ
Project Manager
システム開発プロジェクトの納期・予算・品質・要員に責任を持つ管理者。情報処理技術者試験にも「プロジェクトマネージャ試験」があり、略号は PM。計画を立て、進捗やリスクを管理しながらプロジェクトを目的の達成へ導く役割を指す。プロダクトマネージャーと区別するため PjM と書くこともある。
この案件は PM が週次で進捗とリスクを顧客に報告している。
プロパティマネジメント
Property Management
オーナーに代わって個々の不動産を運営する業務。テナント募集、賃貸借契約や賃料の管理、オーナーへの報告などを行い、賃料収入の最大化と資産価値の維持を図る。資産全体の投資戦略を担う AM(アセットマネジメント)の方針を実行し、建物の保守・清掃を担う BM(ビルマネジメント)と分担することが多い。
テナントの入替えは PM 会社が窓口になり、オーナーへの月次報告に反映する。
プロダクトマネージャー
Product Manager
自社のサービスやアプリ全体に責任を持つ職種。「何を・なぜ作るか」を決める立場で、顧客の課題の把握から機能の優先順位づけ、関係部門との調整までを担う。「いつまでに・どう作るか」に責任を持つプロジェクトマネージャとは役割が異なり、どちらも PM と略されるため、区別して PdM と書くことも多い。
次の四半期は PM がロードマップを見直し、開発する機能を絞り込んだ。
予防保全
Preventive Maintenance
設備の故障を未然に防ぐため、点検・清掃・給油・部品交換などを計画的に行う設備保全の手法。あらかじめ決めた周期で行う時間計画保全(TBM)と、振動や温度などを監視して基準を超えたら行う状態監視保全(CBM)がある。突発停止を減らして生産を安定させる目的がある。
ラインは今週末に止めて、PM でベルトとベアリングを交換する。
粒子状物質
Particulate Matter
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。
大気中に浮遊する微小な粒子の総称。「PM2.5」のように粒径の数字を付けて使い、2.5μm 以下の粒子は肺の奥まで入りやすいため健康影響が懸念される。日本では環境基準が定められ、自治体が濃度を測定・公表している。
今日は PM2.5 の濃度が高く、外出を控えるよう注意喚起が出た。
1969年に生まれた二つの制度と、PMの行方
PM を引くと、IT、不動産、Web サービス、製造、環境の五つの業界で、それぞれ別の語が出てくる。年号が揃うのは、そのうちプロジェクトマネージャにまつわる二つの出来事だけである。
太平洋の両側の1969年
米国の Project Management Institute(PMI)は、1969年にペンシルベニア州の非営利団体として設立された。英語版 Wikipedia によると、最初の会合は同年10月3日にジョージア工科大学(アトランタ)で開かれ、創設者は5人だった。PMI はのちにプロジェクトマネジメントの知識体系である PMBOK ガイドを出し、初版は1987年とされる。
日本にも同じ年がある。IPA の沿革ページや関連の解説によれば、情報処理技術者試験は昭和44年(1969年)に、通商産業省の告示による認定試験として始まった。実施されたのは第一種と第二種の情報処理技術者認定試験で、対象はプログラマである。現在の「プロジェクトマネージャ試験」は、この試験が改編を重ねた先にある区分にあたる。1969年の時点でその名の試験があったわけではない。
プロジェクトを管理する専門職が米国で組織され、システムを作る技術者を日本が国として認定し始めた。同じ年の出来事なので関係がありそうに見えるが、両者に直接の関係があるという資料は確認できなかった。ここでは偶然の一致として並べておく。
二文字に重なった四つの現場
Web サービスで「何を作るか」を決めるプロダクトマネージャーも PM と略される。プロジェクトマネージャと区別するために、前者を PdM、後者を PjM と書き分ける場面がある。不動産のプロパティマネジメントと製造の予防保全は、それぞれ別の現場で、それぞれ別の PM として使われている。
環境分野の PM は粒子状物質で、PM2.5 のように粒径の数字を付けて使う。日本で PM2.5 の環境基準が定められたのは2009年9月で、米国の1997年から十数年遅れた(日本の年は複数の解説ページによる)。
1969年にプロジェクトマネージャをめぐる組織と制度が動き出してから、大気の PM2.5 が日本の環境基準になるまでに、40年かかっている。履歴書に PM と書く人と、天気予報で PM2.5 の数字を見る人は、今日も同じ二文字を別々の意味で使っている。