PV
ピーブイ
6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
太陽光発電
Photovoltaic
半導体に光が当たると電気が生じる現象を使い、太陽光を直接電力に変える発電方式の略称。セルを並べたモジュール(パネル)と、直流を交流に直すパワーコンディショナーで構成される。事業計画や系統連系の資料では「PV設備」「PV容量」のように使われる。
屋根上のPV設備の出力が増えると、昼間の系統への逆潮流も大きくなる。
渦位
Potential Vorticity
絶対渦度(空気の回転の強さ)と大気の安定度の積で表す量。断熱で摩擦のない流れでは保存されるため、等温位面上の分布図で空気塊の動きや上層の前線・トラフの位置を追跡するのに使う。天気図解析では「PV」と略して書かれる。
上層の高渦位域が南下してきたので、低気圧の発達に注意が必要だ。
ページビュー
Page View
Webページが閲覧された回数を数える指標。ユーザーがページを開くたびに1PVと数える。媒体の集客力を示す数字として広告枠の価値の目安になり、PV課金や、1PVあたりの収益(PV単価)の計算にも使う。
このメディアは月間500万PVあるので、記事広告の掲載費もそれに見合った額になる。
プロモーションビデオ(宣伝映像)
Promotion Video
作品や商品の宣伝のために作る短い映像。アニメでは放送・配信前に公開する告知映像(キャラクターや主題歌を見せる)を指すことが多く、予告編に近い。音楽では楽曲を売るための映像で、近年は作品性の強いMV(ミュージックビデオ)と呼び分ける場合がある。
第2弾PVでは主題歌と新キャラクターが初公開された。
ファーマコビジランス(医薬品安全性監視)
Pharmacovigilance
発売後の医薬品について副作用などの安全性情報を集め、評価し、対策につなげる一連の活動。WHOは医薬品の有害な作用や関連する問題の検出・評価・理解・予防に関する科学と活動と位置づける。個別症例の報告、定期報告、シグナル検出、添付文書の改訂などを担う部署も「PV部門」と呼ばれる。
PV部門は海外の副作用症例を集め、規制当局への報告期限を管理している。
現在価値
Present Value
将来受け取るキャッシュフローを、割引率で現在の時点に引き直した価値。お金には時間的な価値があり、今の1円は将来の1円より大きいという考えに基づく。債券の評価、DCF法による企業価値算定、投資判断(NPVやIRR)で使う。表計算ソフトにもPV関数がある。
1年後の110万円を割引率10%で割り引くと、PVは100万円になる。
PVの語が生まれた年は1923年、1940年、1970年代
太陽光発電、気象、医薬品の安全性監視。この三つの現場は、どれも「PV」と書いて自分の語を指す。ところが元の語が生まれた年を調べると、1923年、1940年、1970年代と、それぞれ違う。
光と電池を合わせた語
photovoltaic は、ギリシャ語で光を意味する photo- と voltaic を合わせた語だ。voltaic は、電池を改良したイタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタにちなみ、1813年に作られた。Etymonline によると、合わせた photovoltaic が現れたのは1923年とされる。光が当たると電圧が生じる現象そのものは、1839年にエドモン・ベクレルが見つけている。名前が現れるまでに、80年以上かかった計算になる。
渦位とファーマコビジランス
気象の渦位(Potential Vorticity)は、ロスビーが1940年に potential vorticity の語を導入した。2年後の1942年に、ハンス・エルテルが圧縮性のある流体まで広げた式を独立に発表している。気象学で今も「エルテルの渦位」という呼び方が残るのは、このためだ。エルテルの論文は戦時中のもので、米英の研究者にはあまり知られなかったと、紹介する資料には書かれている。
ファーマコビジランスは、ギリシャ語で薬を意味する語と、ラテン語で「見張る」を意味する vigilare から成る。フランスの薬理学者と毒性学者のグループが、1970年代半ばに提案した語とされる。ただし、仕組みのほうが語より早い。1968年には WHO が、各国の副作用情報を集める国際医薬品モニタリングの試行事業を始めていた。
三つとも、すでにあった現象や仕事に、あとから名前が付いている。太陽光発電では現象の発見から約80年後、医薬品では国際的な仕組みの発足から数年後のことだ。同じ二文字に収まった三つの語は、電気、大気、薬学という別々の分野が、別々の時期に作ったものである。
ページビュー、プロモーションビデオ、現在価値については、同じ形で生まれた年を確かめられていない。