用語

ラウンド

ラウンド

4つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

証券・投資

投資ラウンド・資金調達ラウンド

funding round

投資ラウンドとは、スタートアップ企業が投資家などから資金を調達する際に参考にされる会社の成長の段階のこと

出典:マネーフォワード クラウドIPO「投資ラウンド」解説ページ(株式会社マネーフォワード)

スタートアップが投資家から資金を調達するときの、成長段階ごとの区切り。シード、シリーズA、B、Cのように段階が進むにつれて、1回の調達額も大きくなっていく。

今期のシリーズAラウンドで、既存投資家に加えて新規のVCも参加した。

スポーツ・フィットネス

ラウンド(ボクシング:試合の区分/ゴルフ:18ホール)

round

競技によって指す単位が違う。ボクシングでは試合を区切る時間単位で、男子は1ラウンド3分、間に1分のインターバルを置き、4・6・8・10・12ラウンドの試合がある。ゴルフでは多くの場合18ホールを回る1回分を1ラウンドと数え、「ラウンドに行く」はコースでプレーすることを言う。

ボクシングは8ラウンドで判定に入り、ゴルフは午前中に1ラウンド回った。

遊技・公営競技・盤上遊戯

ラウンド(パチンコ:大当たり中の大入賞口開放)

round

パチンコの大当たり中に、大入賞口(アタッカー)が開いて閉じるまでの1サイクル。規定の個数(カウント)が入るなどすると閉じ、これを機種ごとに決まった回数繰り返す。「10R」「5R」の表記は出玉量の目安になり、ラウンド数が多いほど1回の大当たりの出玉が増える。

同じ機種でも、10R大当たりなら約1500個、5R大当たりなら約400個の出玉になる。

ゲーム・eスポーツ

ラウンド(格闘ゲームの1本)

round

格闘ゲームで、体力ゲージが尽きるか制限時間が切れるまでの1回の勝負。3ラウンド制で先に2ラウンドを取ったほうが試合の勝者になる作品が基本形で、時間切れは体力が多いほうが取る。引き分けなら延長ラウンドに進む作品もある。

第1ラウンドを落としたが、第2・第3ラウンドを取って逆転した。

ラウンドは何で区切るのか

10ラウンドの試合は、休憩を入れても最長で39分で終わる。3分を10回、1分の休みを9回はさんだ計算だ。

同じ「10」でも、パチンコの10Rは時計で数えていない。大入賞口が開いて、規定の個数が入るなどして閉じる。そこまでが1ラウンドで、これを10回繰り返す。同じ機種なら、10R大当たりの出玉は約1500個、5R大当たりは約400個になる。

ひとつの言葉で、一方は時間を数え、一方は玉の数で区切っている。ラウンドは、何を数える言葉なのだろうか。

ボクシングの側から見ると、答えは歴史の中で入れ替わっている。1867年に発表されたクインズベリー・ルールが、3分の試合と1分の休憩を定めた。それ以前のロンドン・プライズリング・ルールでは、ラウンドは時計では終わらない。選手が殴られるか投げられるかして倒れたら、そこで終わりだった。倒れた選手には30秒の休みが与えられ、そのあと8秒のうちに、リング中央に引かれた線まで自分で歩いて戻らなければ負けになる。

区切るのは出来事から時計に移った。倒れても試合が続くようになったのも、同じ1867年のルールからだ。倒れた選手は、10秒のあいだに助けを借りずに立ち上がればよいとされた。

出来事で区切る側は消えたわけではない。格闘ゲームのラウンドは、体力ゲージが尽きたところで終わる。制限時間も付いていて、時間切れなら体力が多いほうがそのラウンドを取る。3ラウンド制の作品では、先に2ラウンドを取れば試合の勝者になる。ボクシングが時計に乗り換えたあとの区切りを、出来事と時計の両方で持っていることになる。

ゴルフは区切りが場所に付いている。18ホールを回る1回分が1ラウンドで、「ラウンドに行く」はコースに出ることを言う。何分かかったかは、ラウンドの定義に入っていない。

投資ラウンドだけは、勝手が違う。ボクシングの1ラウンドは次のラウンドと同じ3分で、パチンコの1ラウンドも同じ手順を繰り返す。投資ラウンドは、シード、シリーズA、B、Cと段階が進むにつれて調達額が大きくなる。回を重ねるというより、階段を上がっていく数え方だ。時計も場所も出来事も関係なく、会社の成長が区切りになっている。

時計、出来事、場所、成長。同じカタカナに、四通りの区切りが預けられている。

冒頭の10ラウンドに戻ると、いまのボクシングなら最長39分で収まる。1867年より前のルールで同じ10ラウンドを組んだなら、何分かかるかは誰にもわからない。倒れるまでが1ラウンドだったからだ。