SC
エスシー
9つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。
ショッピングセンター
shopping center
ショッピングセンターとは、一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいう。
ひとつの事業主体が計画・開発・運営する商業施設の集合体で、駐車場を備えるもの。日本ショッピングセンター協会は、小売業の店舗面積1,000㎡以上、テナント10店舗以上、最大店舗の面積が全体の80%程度を超えないこと、共同の広告や催事を行うことを取扱い基準としており、統計もこの基準で集計される。
郊外のSCに核テナントとして食品スーパーを入れ、専門店を30店舗ほど並べる計画だ。
セーフティカー(モータースポーツ)
Safety Car
F1などのモータースポーツで、事故やコース上の危険があるときに隊列の先頭に入り、各車の速度を抑えて走らせる先導車。導入時にはコース係員が黄旗とともに「SC」と書かれたボードを掲げる。SCが入っている間は原則として追い越しが禁止される。
終盤にSCが入り、リードしていた差が一気に縮まった。
層積雲
stratocumulus
雲の十種類の基本形(十種雲形)のひとつ層積雲を表す記号。下層に広がる灰色や白っぽい雲で、塊やロール状のかたまりが並んで層をつくる。天気図や観測記録では雲形を略号で記すため、Scと書かれる。
観測記録に下層雲はSc、雲量は8分と記されていた。
SCコネクタ(光ファイバコネクタ)
Subscriber Connector
光ファイバ同士や機器とをつなぐ角型の光コネクタ。押し込むだけで接続でき、引くと外れるプッシュプル式で、光加入者系回線やLAN、工場の機器などに使われる。日本ではJIS C 5973のF04形、国際規格ではIEC 61754-4として規定されている。
ONUからの光ファイバにはSCコネクタが付いている。
サプライチェーン
supply chain
原材料の調達から製造、在庫管理、輸送、販売を経て消費者に届くまでの一連のつながり。SCM(サプライチェーンマネジメント)の「SC」で、「SC改革」「SC全体」のように単独でも使われる。倉庫や輸送だけを指す「物流」より範囲が広い。
SC全体の在庫を見直して、欠品と過剰在庫を同時に減らしたい。
皮下注射
subcutaneous
皮膚のすぐ下の皮下組織に薬剤を入れる注射の投与経路を示す略語。指示書や記録では静脈注射(IV)や筋肉注射(IM)と並べて書き分ける。インスリンなど自己注射できる薬でよく使われる経路である。
指示は朝食前にインスリンをSCで投与だった。
スクールカウンセラー
school counselor
学校に配置され、児童生徒や保護者の相談に応じる心理の専門職。教職員への助言も担い、学校の教育相談体制を支える。文部科学省の事業では公認心理師や臨床心理士などが要件とされ、自治体の文書では「SC活用事業」のように略して書かれる。
不登校の相談は、担任からSCにつないで面談の日程を調整した。
鋼板コンクリート構造(SC構造)
Steel plate reinforced Concrete
鉄筋コンクリート(RC)の鉄筋のかわりに鋼板を使う構造。2枚の鋼板の間にコンクリートを充てんし、スタッドなどで一体にする。鋼板が型枠を兼ねるため、鉄筋工事と型枠工事を省けて工期を短くできる。原子力発電所の建屋などで研究・採用が進んだ。
この壁は鉄筋ではなくSC構造にして、現場の配筋作業を減らす。
SCカット(水晶振動子)
Stress Compensated cut
水晶の結晶から板を切り出す角度(カット)の一種で、水晶振動子の特性を決める。水晶の軸を二方向に回転させた二重回転カットで、一般的なATカットに比べ、温度の急変や電極などの応力による周波数のずれが小さい。恒温槽付き水晶発振器(OCXO)など高精度の発振器に使われる。
周波数安定度を上げるため、振動子をATカットからSCカットに替えた。
加入者と皮下注射は、同じ「下」から来た
光ファイバの端子のSCは、Subscriber Connector の略とされる。NTTが開発した角型のコネクタで、家庭に引き込む光回線の端にも付いている。
加入者を意味する subscriber は、なぜ「下」を含んでいるのか。ラテン語の subscribere までさかのぼると、sub-(下)と scribere(書く)に分かれる。契約書の末尾、本文の下に名前を書き入れること。署名した人が約束を引き受けた人になり、のちに雑誌の購読者や回線の加入者へ意味が広がった。「下」は、書類の位置である。
同じ sub- は、別のSCにも入っている。注射のSCは subcutaneous で、cutis(皮膚)の下を指す。署名の下と、皮膚の下。ラテン語の同じ接頭辞が、通信と医療の略語に一文字ずつ残ったことになる。もっとも、NTTが「下」の語感を意識して名づけたとは確かめられていない。偶然と見ておくのが安全だ。
気象のScも、ラテン語二つの頭を合わせた形をしている。stratus(層)と cumulus(塊)を重ねた層積雲で、観測記録には大文字のSと小文字のcで書く。つまり九つのうち三つは、ラテン語の部品を二つ継いで、先頭の音だけ残した略語である。
残る六つは、英語が二つ並ぶだけで済んでいる。shopping center、safety car、supply chain、school counselor、Steel plate Concrete、Stress Compensated。
それでも一枚の書類に二つのSCが同居する場面は、ありうる。流通企業の社内メモに「郊外のSCに納めるSCを見直す」と書いてあったとしよう。前のSCはショッピングセンター、あとのSCはサプライチェーンである。読み分ける手がかりは、略語そのものにはなく、前後の「に納める」「を見直す」にある。
保健室の連絡帳に「SC 午後」とあれば、スクールカウンセラーの来校日か、昼の皮下注射かで、読みが分かれる。現場の人は、前後の語から拾って読んでいるはずだ。
玄関脇のONUに刺さった四角い光コネクタには、いまも「SC」の刻印がある。署名した人を意味する語の頭文字で呼ばれている端子である。