略語

SG

エスジー

6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

分析・計測

比重

specific gravity

ある物質の質量と、それと同体積をもつ標準物質の質量との比。通常、セ氏4度の水を標準物質とする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)/コトバンク「比重」

物質の密度を、基準になる物質の密度で割った無次元の数値。固体と液体では水を基準にするのが普通で、液体の濃度や純度の目安として比重計で測る。単位がないため、同じ温度条件で測った値どうしで比べる。

この溶液のSGは1.05だったので、規格の範囲内か確かめてください。

日用品・消費財

SGマーク

Safe Goods

一般財団法人製品安全協会が運営する、消費生活用製品の安全認証マーク。協会が定めたSG基準に適合すると認証された製品にだけ表示でき、自己適合宣言では付けられない。表示した製品の欠陥による人身事故には賠償措置がある。

このベビーカーにはSGマークが付いているので、基準の審査を受けた製品だとわかる。

半導体・電子部品

信号グランド

signal ground

信号の基準になるDC0Vのライン。回路図やコネクタの端子表では、筐体につなぐフレームグランド(FG)と区別して「SG」と書かれる。

コネクタの端子表で、SGとFGを別々のピンに割り当てる。

スポーツ・フィットネス

シューティングガード(バスケットボール)

shooting guard

バスケットボールのポジションの一つで、番号では「2番」と呼ばれる。攻撃では得点を取ることが主な役割で、3ポイントなど長距離からのシュート力が求められる。ゲームを組み立てるポイントガード(PG)と並ぶガードの一角。

あのチームはSGの3ポイントが得点源だ。

遊技・公営競技・盤上遊戯

SG競走(ボートレース)

Special Grade

ボートレース(競艇)の競走の格付けで、最上位に置かれるもの。オールスター(笹川賞)、グランドチャンピオン、オーシャンカップなどがSG競走で、日本モーターボート競走会が毎年度、開催地と日程を発表している。オートレースにはスーパーグレードの意味でSGがある。

今年のSG競走の開催地が発表された。

エネルギー

蒸気発生器

steam generator

加圧水型軽水炉(PWR)で、原子炉で熱せられた1次冷却系の熱を2次冷却系に伝え、タービンを回す蒸気をつくる機器。PWRの中核機器で、高い安全性と信頼性が求められる。取替用の大型品が製作・納入される。

定期検査で蒸気発生器(SG)の伝熱管を点検する。

SGの三つは基準が先にあり、動詞だけが違う

SGマークは、誰が何を確かめた印なのか。

製品安全協会が定めた「SG基準」に、その製品が適合していると認証した印である。基準を作るのも、審査して表示を許すのも協会で、メーカーが自分で適合を宣言しても付けられない。マーク付き製品の欠陥で人身事故が起きたときの賠償措置もある。協会ができたのは1973年10月。その12月に、乳母車がSG基準の第1号として受付を始めた。

SGは Safe Goods の頭文字で、「安全な製品」という意味の名前である。マークが示すのは、先に基準があり、製品があとから合わせにいく、という順序だ。

では、同じ2文字を使うほかの分野でも、順序は同じなのだろうか。

比重もSGと書く。specific gravity の略で、ある物質の質量を、同じ体積の標準物質の質量で割った比である。デジタル大辞泉(小学館)は「ある物質の質量と、それと同体積をもつ標準物質の質量との比。通常、セ氏4度の水を標準物質とする。」と書いている。ここでも基準が先にある。ただし、製品が合わせにいくのではなく、測るものを基準で割る。標準物質そのものを測れば、答えは1になる。単位がないので、比べられるのは同じ温度条件で測った値どうしだけだ。

電子回路のSGは signal ground で、信号の基準になるDC0Vのラインを指す。回路図やコネクタの端子表では、筐体につなぐフレームグランド(FG)と区別して「SG」と書かれ、端子表ではSGとFGが別々のピンに割り当てられる。こちらの基準は、割る相手でも合わせにいく相手でもない。回路の各部が同じ線に足を揃える、共有の0Vである。

このほかにSGは、ボートレースの最上位の格付けである Special Grade、バスケットボールの2番のポジション shooting guard、加圧水型軽水炉の蒸気発生器 steam generator でもある。残る三つは別の語の頭文字で、基準を軸には並ばない。

比重計が溶液で1.05を指すとき、読んでいるのは水に対する値である。端子表のSGは、0Vという共通の線だ。乳母車に付いたSGマークは、協会の基準を満たした証だった。割られ、揃えられ、合わせられる。基準が先にあるところまでは同じで、そこから先の動詞が違う。1973年12月に受付を始めた乳母車は、その「合わせる」側の第1号である。