略語

TL

ティーエル

6つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

Webサービス・SaaS・アプリ

タイムライン

timeline

SNSやアプリで、投稿を時系列やおすすめ順に並べて表示する画面。ホーム画面に置かれることが多く、ユーザーが最初に見る面になる。ユーザーの間では「TLを追う」「TL汚し」のように略して使われ、運営側も表示順の設計対象として扱う。

フォロー中だけを表示するTLと、おすすめを混ぜたTLを切り替えられるようにする。

IT・システム開発

テックリード

Tech Lead

開発チームで技術面の方針を決める役割。設計や技術選定から、優先度の高い作業へのチームの割り振り、エンジニアへの指導までを担い、案件の技術的な成否に責任を持つ。チームの議論では技術的な判断のまとめ役になる。

この機能のライブラリ選定はTLに相談してから決めよう。

出版・新聞・Webメディア

ティーンズラブ

Teens' Love

女性向け漫画・小説のジャンルのひとつで、男女の恋愛と性的な描写を中心に据える作品群。2000年代に確立し、作家も読者も女性が中心。電子書籍ストアでは専用のジャンル枠や特集が設けられ、BLと並ぶ分類として扱われる。

電子書店のTL作品の新刊を、ジャンル別の棚に追加した。

保険

全損

Total Loss

全損とは、保険の対象となる自動車が修理不可能な状態になること、あるいは修理はできるものの、修理費用が時価額を上回ることを指します。

出典:SOMPOダイレクト「全損とは」

保険の対象物が修理できないほど壊れた状態、または修理費が対象物の価値を上回る状態。修理で済む分損と区別して使う。英語圏の保険や海上保険では TL と略され、全損のときだけ補償する TLO(Total Loss Only)という条件もある。日本の自動車保険では「全損」と呼ぶのが普通で、保険金は保険金額が上限になる。

船体保険をTLO条件で引き受け、分損は補償の対象外とした。

物流

トラック単位の輸送(TL輸送)

Truckload

1荷主の貨物でトラック1台分を使い切る輸送方式。複数荷主の荷物を同じ車に混載する LTL(Less Than Truckload)の対になる。積み替えが少なく、原則として発地から着地まで直行するため、大口の貨物に向く。

出荷量が多い日はLTLをやめて、TLで直送に切り替える。

航空

トランジションレベル

Transition Level

高度計の気圧設定を切り替える境目になる、最も低い使用可能なフライトレベル。降下中にこの高度を通過したら、標準気圧(1013hPa)から空港周辺の QNH(海面気圧に補正した値)へ合わせ直し、高度をフライトレベルでなくフィートで扱う。TA(遷移高度)との間の空域を遷移層と呼ぶ。

TLを下回ったので、高度計をQNHに合わせ直して降下を続けた。

TLの「全部」は、壊れ方でも積み方でもなく勘定で決まる

修理できる車が「全損」と呼ばれることがある。直せるのに、なぜ全部を失ったことになるのか。

全損なら、原形をとどめないほど壊れているに違いない。そう思っていた。ところがSOMPOダイレクトの「全損とは」には、こうある。「全損とは、保険の対象となる自動車が修理不可能な状態になること、あるいは修理はできるものの、修理費用が時価額を上回ることを指します。」後半に目が止まる。修理はできる。それでも全損である。

全部かどうかを決めていたのは、壊れ方ではなく金額だった。時価80万円の車に修理費が100万円かかるなら、直すほうが損になる。保険はそこで、車の価値がまるごと失われたものとして扱う。船も同じ考え方をとる。海上保険のTLO(Total Loss Only)は、全損だけを補償し、修理で済む分損は対象にしない条件である。英国法系の解説では、この全損に、修理費が修理後の船の価値を超える場合の「擬制全損」も含まれる。船齢の高い船には、この条件しか引き受けない保険者もあるという。

同じ「TL」が、トラックの荷台にもある。

トラック輸送のTL(Truckload)は、荷物がその車だけに載り、発地から着地まで積み替えられない輸送を指す。料金は荷台がどこまで埋まっているかでは決まらない。荷主が負担するのは一台分で、積み荷が半分でも、一台分である。複数の荷主の荷物を同じ車に載せるLTL(Less Than Truckload)なら、払うのは自分の荷物が占める場所の分だけになる。ここでも「一台分」を決めるのは積載量ではなく、車を専有するという取り決めだ。

並べてみると、二つのTは同じ癖を持っている。物の状態ではなく、勘定の上での全部である。片方は直せる車を全損とし、片方は空きのある荷台を一台分とする。そして略語の後ろ半分も似ている。TLOのOnlyは全部だけを拾い、LTLのLess Thanは全部に満たないほうを指す。どちらも、全部とそれ以外の境目に名前をつけた語だ。

違うのは、全部がどちらに転ぶかである。全損では、全部であることが損失になる。TLでは、全部であることが確保になる。

空にも、同じ綴りの境目がある。航空のTL(Transition Level)は、高度計の気圧設定を切り替える境目になるフライトレベルだ。降下中にここを通ったら、標準気圧の1013hPaから、空港周辺のQNH(海面気圧に補正した値)へ合わせ直す。高度の言い方も、フライトレベルからフィートに変わる。機体は同じ高さを降りているのに、計器の読みは別の基準で数え直される。高度計が測っているのは気圧であり、地面からの距離そのものではないからだ。ここでも、数字を決めているのは物の状態ではなく、どの基準で数えるかという取り決めである。

荷主が一台分を借り、荷台を半分空けたまま見送るとしよう。工場から「直ります」と言われた車の持ち主が、保険会社から「全損です」と告げられる場面とよく似ている。どちらも嘘ではない。数えている単位が、見た目の量と別なのである。