略語

UT

ユーティー

3つの業界で、それぞれ別の意味で使われています。

分析・計測

超音波探傷試験

Ultrasonic Testing

材料に超音波を当て、内部のきずで反射して戻る波をモニター上のピークとして読み取り、壊さずに内部の欠陥の位置や大きさを調べる検査。非破壊試験の代表的な手法の一つ。JIS Z 2305 の非破壊試験技術者資格でも、試験の区分がUTの名で呼ばれる。

この溶接部は外観では異常がないので、内部はUTで確認してください。

IT・システム開発

単体テスト

Unit Test

プログラムをモジュールやコンポーネントなどの機能単体(ユニット)に分けて、それぞれ単独で不具合がないかを確かめるテスト。結合テスト(IT)、総合テスト(ST)より前の工程にあたり、UT やユニットテストとも呼ばれる。

UTが終わったら、結合テストの環境を用意します。

学術・研究

世界時

Universal Time

平均太陽時を経度の差の分だけ補正して作る、世界共通の時刻系。天文学では地球の自転量を表す量として扱われ、観測から得た UT0、極運動による変化を除いた UT1、さらに年周・半年周の変動も除いた UT2 に分けられる。国立天文台の暦象年表で世界時といえば UT1 を指す。

この天体の位置計算にはUT1とUTCの差を使います。

UTに添字を付ける流儀に、UTCは合わせた

単体テスト(UT)を終えて、ログを開く。各行の時刻の末尾にあるのは「UT」ではなく「UTC」だ。Cは何のために付いているのか。

答えは天文学の側にある。UTはもともと「Universal Time(世界時)」で、地球の自転にもとづく時刻を指す。観測でそのまま得られる値がUT0。そこへ極運動による補正を加えたものがUT1で、国立天文台の暦象年表で世界時といえばこれを指す。UT1からさらに季節変動を補正したものがUT2になる。区別は、末尾の数字で付ける。

協定世界時の略称が決まるとき、問題になったのは言語だった。Wikipedia(英語版)によれば、国際電気通信連合と国際天文学連合は、あらゆる言語で同じ略称を使いたかった。そこで出てきた折衷が「UTC」で、世界時の変種の略称(UT0、UT1、UT2、UT1Rなど)の型に合う、と同ページは書いている。つまりCは、UT1の「1」と同じ位置に座っている。

Cのつく時刻は、自転そのものではない。UTCは、UT1に近い値を保つように調整されてきた(同ページには、現在は平均太陽時から約1秒以内とある)。時計の進みと地球の回り方を、並べて持っている時刻である。

同じUTでも、IT業界とものづくりの現場には、添字がない。単体テストのUTは、結合テスト(IT)、総合テスト(ST)へ続く段の最初に立つ。超音波探傷のUTは、きずで反射した波をモニターのピークとして読む検査で、JIS Z 2305の資格でも区分がUTの名で呼ばれる。どちらも二文字だけで通じるから、UT1やUT2のような数字を持たない。

添字を付けたのは、ひとつの名の中に複数の時刻があったからだ。三つのUTのうち、そういう事情を抱えていたのは世界時だけだった。

ログの行に戻ると、末尾のCは省けない。UT1と取り違えれば、秒単位でずれる時刻が混じることになるからだ。